| 村野藤吾は、200以上もの優れた建築作品を遺した、多作の建築家として知られています。しかしその多作の背後には、建物として実現することなく図面上の計画だけに終わった数多くのアンビルト作品がありました。第10回となる今回の村野藤吾建築設計図展は、アンビルト・プロジェクトに焦点を当てます。京都工芸繊維大学が所蔵する村野の図面資料の中から、ダンスホール(1933年)、中山製鋼所附属病院(1937年)、橿原丸(1940年)、宇部図書館(1949年)、東京都庁舎(1955年)、志摩グランドホテル(1973年)、文京学園仁愛講堂(1984年)など、戦前から晩年にかけて計画されたものの実現しなかった18作品を選び、図面やスケッチ、そして模型を新たに製作し展示します。村野藤吾は、生前から建築家として高い評価を受けていましたが、近年再評価が進んでいます。今回の展覧会で取り上げる作品は、これまでほとんど知られていないものばかりです。この展覧会を通じて、知られざる村野作品や、未だ建てられざる村野像を提示し、村野の新たな可能性を探りたいと思います。 |