|
20世紀に主流を成した、物を中心とする工業産業観は行き詰まりを見せ、人間性を重視した産業へと移行しつつあります。こうした新しい産業分野は、人間中心の視点から、物と人間との整合を目指すものでなければならず、感性や環境といった分野を取り入れた科学や工学を開拓することによってはじめて確立することができます。
本専攻は、独立専攻で、専攻名のファイブロは、「ファイバー状の」という意味の連結語で、科学と連結した「ファイブロ科学」はファイブロ材料及びその応用分野を研究対象とします。本専攻では、テキスタイルサイエンス・エンジニアリングを学ぶことにより、人と環境に優しいものづくりができ、かつ未知のものに向かって自らの考えでアプローチができる応用力を身につけた人材育成を目標としています。
研究内容は、人間と地球に優しく快適なファイブロ製品の開発、高機能・長寿命ファイブロ材料の創出、生体や生活に適合するファイブロ素材の開発、環境に配慮した天然ファイブロ資源の有効利用、ファイブロ廃棄物のリサイクル(資源化)など、環境調和型ファイブロ材料の開発、設計、評価に関する教育と研究を、自然科学と社会科学の両者の観点を取り入れながら行います。さらに、歴史遺産である染織文化財の保存法に関する研究も実施します。
また、人間の感性に直接訴えかけることのできる情報メディアや製品を設計したり、心地よさ・審美感・印象など人間の感性特性を情報工学の観点から明らかにするとともに、ファイブロ製品を感性面から評価する手法を開発します。また、伝統的な組紐、編物、織物などの技術に内在している知恵を先進的な材料の開発技術に応用することにより、安全性や堅牢性、柔軟性に富んだ環境適合型素材を開発することに関する研究を行います。さらに、染織文化財の感性機能評価についても研究します。
さらに、本専攻は学外の研究所に所属する研究者と連携し、現在は独立行政法人産業技術総合研究所、大阪市立工業研究所および東北大学から客員教員を招き、生活環境調和型ファイブロ製品とシステムの開発、評価、ひいては、人に優しい科学技術のありかたについての教育研究も併せて行います。 |