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キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)から白眼突然変異体が1910年に初めて発見され、遺伝子が染色体に存在する事が実証されました。後にT.H. Morgan のノーベル賞受賞に結びつきました。それ以降キイロショウジョウバエには、多くの突然変異体が発見され、また人為的に作製され、多くの遺伝学分野の最先端研究成果が得られたことにより、いろいろな遺伝学研究の最重要生物と位置づけられています。1999年にはゲノムの全塩基配列が決定され、ヒトの遺伝子との高い相同性が明らかになったことから、遺伝学研究用生物としてだけでなく、生命科学の基礎研究に必須のモデル生物として重要な遺伝資源となっています。
本センターは、1999年に国内で唯一のショウジョウバエ遺伝資源研究施設として設立され、2002年度からは国家プロジェクト「ナショナルバイオリソースプロジェクト」の中核的研究機関として系統の収集・維持・提供を行うとともに、新しい系統の開発研究を行っています。2005年から世界最大の系統数を維持する国際的生命科学研究のセンターに成長しました。国際的期待とその責任はますます重く、今後の継続的運営が期待されており、密接な海外研究機関との連携を維持しています。
本センターの研究課題は、配偶子形成過程における減数分裂、精子の成熟並びにべん毛の形成、貯精と受精に関わる遺伝子やタンパク質の機能解析です。これらの研究に対して、蛍光タンパク質遺伝子を導入したショウジョウバエを用いて精子の運動や受精過程の解析、細胞分裂のリアルタイム観察で染色体の追跡や組織細胞内局在性分子の解析を行っています。ここでも、突然変異は重要であり研究には不可欠です。例えば、減数分裂機構の研究には染色体の不分離を起こす突然変異、細胞増殖機構の研究には細胞が分裂しない突然変異、受精や貯精機能の研究には不妊突然変異が必須であり、このような突然変異の発見から、遺伝子の特定と機能の解明が研究の基本となっています。生命科学研究に下等生物や高等生物の垣根は無く、生物の多様な生命のあり方を明らかにしています。 |