本学と京都試作センター株式会社共同提案が内閣府 「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)/革新的設計生産技術)」 に採択されました

本学と京都試作センター株式会社共同提案の「データマイニング、遺伝的アルゴリズム、迅速試作技術融合による『進化的ものづくりシステム』の構築に向けた研究開発」が、内閣府の公募する「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)/革新的設計生産技術)」の実施課題に採択されました。

SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)は、総合科学技術・イノベーション会議が自らの司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために平成26年度から新たに創設されたプログラムです。「革新的設計生産技術」の他、革新的燃焼技術、次世代パワーエレクトロニクス等の合計10課題について、研究開発テーマを公募。そのうち「革新的設計生産技術」では、近年の国際競争の激化による製造現場の海外流出や新興国の躍進、さらには製品のコモディティ化などの要因を背景に、日本のものづくり産業の競争力が失われつつあるとの懸念を踏まえ、設計や生産・製造に関する革新的な技術の開発等を行い、地域の企業や個人が持つアイデアや技術・ノウハウを活かし高付加価値な製品やシステム、サービスを産み出す新たなものづくりスタイルを確立することにより、日本のものづくり産業の競争力強化を目指しています。

京都試作センター株式会社では、「京都を試作の一大集積地」とすることを目標に「オール京都」体制のもと、京都試作ネットに参加する約100社の中小企業とともに、試作ビジネスの定着・市場の開拓や受注体制の整備、ネットワークの拡大等に取り組んでいます。

この度、こうした京都試作ネットを中核とした取り組みをさらに発展させ、単なる部品の加工・試作に留まらない、研究開発サポートや製品全体の試作に踏み込んだ「開発試作」の実現を目指し、本学と共同し、京都府の協力の下に提案していた「データマイニング、遺伝的アルゴリズム、迅速試作技術融合による『進化的ものづくりシステム』の構築に向けた研究開発」が、「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)/革新的設計生産技術)」の実施課題の一つとして採択されました。

※提案内容の詳細は、下記のとおりです。

提案内容:
京都のものづくり中小企業100社が参加する「京都試作ネット」とその運営機関である「京都試作センター株式会社」が中核となって、“デザイン思考のものづくり”と“多数の企業等の間の一体的活動”、それを支える超精密・超高速な製造技術の研究開発・実証を行うことを通じて、必要なインフラ・システムを整備するとともに、京都における開発試作を軸とした中小企業連合体によるファブリケーション・バブを形成するために、以下の研究開発を実施する。

1)遺伝的アルゴリズムとデータマイニングを用いた「製品企画」支援システムの研究開発
Web上から収集した情報からデータマイニング技術を用いて「潜在的ニーズ」を抽出するとともに、それを基に遺伝的アルゴリズムを活用してイノベーションの種となるアイデアの創出を支援するシステムの研究開発。

2)データマイニングによる「知識・技術集約型最適試作システム」の研究開発
データマイニングを活用し、複数の企業が情報を統合・共有し、ものづくりのプロセスごとに最適な企業の選定、工法の決定することで、複数の中小企業の一体的活動を支援するシステムの研究開発。

3)超迅速先端試作システムの研究
研磨、研削、放電加工、微細レーザー加工等の様々な加工を、一台の装置により、多様な材料を対象に迅速・高精度で実現する「超多機能・多工程集約複合加工機」とそれを用いた「超迅速先端試作システム」を開発する。