本学教員の論文が “アメリカ化学会広報誌「プレスパック」(Press Pac)” で世界中のマスコミに広報されました

ゴムの加硫における新規反応中間体.アメリカ化学会の許可により、Macromolecules, 48(3), 462-475(2015)から転載.
詳しくはこちらをご参照ください。その記事から原著論文にアクセスできます。

本学分子化学系 池田裕子教授と材料科学系 小林久芳教授の論文:「ゴムの加硫における複核ブリッジ型二配座亜鉛/ステアレート錯体」が、“アメリカ化学会(ACS)広報誌「プレスパック」(Press Pac)” の2015年2月11日号記事に選ばれ世界中の数千人のマスコミ関係者に広報されました。

プレスパックとはインターネット上ACSの公式プレスリリース週刊誌で、ACS発行の学術雑誌掲載予定の数多くの論文から数報の論文が選択されて、毎週水曜日に世界中の数千人のマスコミ関係者に送付されるものです。

プレスパックは、「ゴム加硫体がいかにして作られるかについての新しい洞察:タイヤの改良や大気汚染防止に関連して」として、おおよそ以下のように紹介しています。

『19世紀後半から現在に至るまで、ゴムバンドからタイヤに至る多種のゴム製品が作られてきた。しかし、この工程において鍵となるステップには謎が残されてきた。アメリカ化学会発行のMacromoleculesに掲載される論文において、科学者たちはゴム製品製造のこの掴み所のない部分を調べている。その結果は材料とその使用法の改良に密接な関係を持つと考えられる。彼らが見出した結果は、例えば、タイヤの改良においてより良好な燃費(走行距離/リットルガソリン、単位はkm/l)や、大気汚染の減少に役立てることが可能である。

池田裕子とその共同研究者は、1800年後半から今にいたるも加硫と呼ばれる化学プロセスが上質のゴム製造における決定的な要因であったと述べている。多くの技術者は、その工程を改良してきた。しかし、近年それは大きな進展のない状態で推移してきた。もし、科学者が加硫の詳細をさらに考察できれば、より良いゴム製品を作る方面へ応用できるであろうと考え、池田チームは、加硫工程の鍵となるステップを明らかにする研究を開始した。

最新の分析技術を用いて、研究者らはゴム製品の製造過程にこれまで知られていなかった構造の中間体を見出した。この新しい知見は、ふつうのゴム材料をさらに良くすることに貢献することができるだろう。自動車産業にとって、タイヤの高性能化の成果は燃料節約と汚染ガス排出の低下に役立つであろうと研究者らは述べている。』(試訳)