京都工芸繊維大学副学長 森迫 清貴
京都工芸繊維大学応用生物学系 教授 半場 祐子
日本においては近年夏の高温化が進行しており、特に都市部でその傾向は著しい。日本の7月の電力消費量は1968年から2004年までに6倍近くに増加しており、さらに電気料金の値上げが相次いでいることから、特に夏の省エネルギーにつながる夏の高温を緩和する技術が強く求められている。また、大気汚染濃度の増加や高温化は中国等の新興工業国でも深刻化しており、高温を緩和し、大気汚染物質の減少に資する技術に対するニーズは大幅に高まっている。街路樹は、大気汚染物質の吸収や捕捉、緑陰形成による路面の照り返しや温度上昇の防止などの多くの効用と機能を持ち、都市の良好な生活環境維持のために重要な役割を担っている。講演では、都市温暖化の現状を紹介し、温暖化を緩和するために街路樹を含めた植物をどのように有効利用できるのか、その可能性を探る。
九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)准教授 辻 健
CO2回収・貯留(CCS: Carbon dioxide Capture and Storage)は、発電所といったCO2の大規模排出源においてCO2を分離・回収し、1000mより深い地中に貯留する技術である。CCSは、近未来的にCO2を削減できる点で注目されている。また日本周辺だけでも、1000億トン以上のCO2を貯留できる地層があると推定されている。この量は、日本の総CO2排出量の100年分以上に相当し、非常に大きなポテンシャルがあることが分かる。既に海外では、CCSプロジェクトは多く実施されており、CCSによるCO2の削減が始まっている。国内では、平成28年からCO2の貯留を開始する苫小牧CCSプロジェクトがあり、日本初の大規模プロジェクトとして注目されている。本講演では、CCSの現状と、安全にCO2を地中貯留するための技術、また課題について紹介する。
京都工芸繊維大学環境科学センター長 柄谷 肇
詳細は環境科学センターWebサイトイベントページをご覧下さい。
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