○京都工芸繊維大学動物実験規則
(平成20年7月17日制定)
改正
平成24年4月1日
平成27年3月26日
平成27年6月25日
平成30年3月22日
平成30年4月3日
令和3年3月24日
令和6年3月28日
(趣旨)
第1条
この規則は、京都工芸繊維大学(以下「本学」という。)における動物実験に関し必要な事項を定めるものとする。
(基本原則)
第2条
動物実験の実施にあたっては、次に掲げる法律、告示、ガイドライン(以下「法令等」という。)に則し、動物実験の原則である代替法の利用、使用数の削減及び苦痛の軽減を図り、適正に実施するものとする。
(1)
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)
(2)
実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号。以下「飼養保管基準」という。)
(3)
研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号。以下「基本指針」という。)
(4)
動物の殺処分方法に関する指針(平成7年総理府告示第40号)
(5)
動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(平成18年日本学術会議策定)
(定義)
第3条
この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)
動物実験 動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供することをいう。
(2)
実験動物 動物実験の利用に供するため、第5号に規定する施設等で飼養又は保管している哺乳類、鳥類又は爬虫類に属する動物(施設等に導入するために輸送中のものを含む。)をいう。
(3)
飼養保管施設 実験動物を恒常的に飼養若しくは保管し、又は動物実験等を行う施設及び設備をいう。
(4)
実験室 実験動物に実験操作(48時間以内において一時的に保管する場合を含む。)を行う動物実験室をいう。
(5)
施設等 飼養保管施設及び実験室をいう。
(6)
動物実験計画 動物実験の実施に関する計画をいう。
(7)
管理者 実験動物及び施設等の管理を総括する者をいう。
(8)
動物実験実施者 動物実験の実施に従事する者をいう。
(9)
動物実験責任者 動物実験実施者のうち動物実験の実施に関する業務を統括する者をいう。
(10)
実験動物管理者 実験動物に関する知識及び経験を有する者で、飼養保管施設において管理者を補佐し、実験動物の管理を担当する者をいう。
(11)
飼養者 実験動物管理者又は動物実験実施者の下で実験動物の飼養又は保管に従事する者をいう。
(適用範囲)
第4条
この規則は、本学において実施される哺乳類、鳥類及び爬虫類の生体を用いるすべての動物実験に適用する。
(学長の責務)
第5条
学長は、本学における動物実験の実施に関する最終的な責任を有し、動物実験の適正な実施のため必要な措置を講じるものとする。
(動物実験委員会)
第6条
本学に、動物実験委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2
委員会は、次に掲げる事項を調査審議し、その結果を学長に対し報告又は助言する。
(1)
動物実験計画の法令等及びこの規則に対する適合性の審査に関すること。
(2)
動物実験の実施状況及び結果に関すること。
(3)
施設等の設置に関すること。
(4)
施設等の状況に関すること。
(5)
実験動物の飼養保管状況に関すること。
(6)
教育訓練の内容又は体制に関すること。
(7)
動物実験の実施に係る自己点検・評価及び外部の専門家による検証に関すること。
(8)
動物実験の情報公開に関すること。
(9)
その他動物実験の適正な実施に関し必要なこと。
3
委員会は、次に掲げる委員で組織する。
(1)
学長が指名する副学長
(2)
動物実験等に関して優れた識見を有する者
(3)
実験動物に関して優れた識見を有する者
(4)
その他学識経験を有する者
(5)
研究推進・産学連携課長
(6)
その他学長が必要と認める者
4
前項第1号、第2号、第3号、第4号及び第6号の委員は学長が委嘱する。
5
第3項第1号、第2号、第3号、第4号及び第6号の委員の任期は、委嘱の日の属する年度の末日までとする。
ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6
前項の委員は、再任されることができる。
7
委員会に委員長を置き、第3項第1号、第2号、第3号及び第4号の委員のうちから、委員の互選により選任する。
8
委員長は、委員会を招集し、その議長となる。
9
委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長が指名する委員が、その職務を代行する。
10
委員会は、必要に応じ、動物実験責任者に対し、報告を求めることができる。
11
委員会の事務は、研究推進・産学連携課において処理する。
(動物実験計画)
第7条
動物実験責任者は、動物実験を実施する場合には、次に掲げる事項を踏まえて動物実験計画を立案し、委員長が定める計画書その他の必要な書類により学長に申請し、その承認を得るものとする。
動物実験計画を変更又は追加しようとする場合も同様とする。
(1)
研究の目的、意義及び必要性を明確にすること。
(2)
代替法を考慮して、実験動物を適切に利用すること。
(3)
実験動物の使用数削減のため、動物実験の目的に適した実験動物種の選定、動物実験成績の精度及び再現性を左右する実験動物の数、遺伝学的及び微生物学的品質並びに飼養条件を考慮すること。
(4)
苦痛の軽減に配慮して、動物実験等を適切に行うこと。
(5)
苦痛度の高い動物実験(致死的な毒性試験、感染実験、放射線照射実験等をいう。)を行う場合は、動物実験を計画する段階で人道的エンドポイント(実験動物を激しい苦痛から解放するための実験を打ち切るタイミングをいう。)の設定を検討すること。
2
学長は、前項の申請があったときは、委員会に審査を付託する。
3
委員会は、前項の付託があったときは、動物実験計画が、法令等及びこの規定に定める要件を満たしているか否かについて審査を行い、その結果を学長に報告するものとする。
4
学長は、前項の報告を受けたときは、第1項の申請について承認又は不承認の決定を行い、動物実験責任者に通知する。
5
動物実験責任者は、動物実験計画について学長の承認を得た後でなければ、動物実験を実施することができない。
6
動物実験責任者は、動物実験の実施を本学以外の機関に委託する場合は、当該委託先において動物実験が法令等に基づき適正に実施されることを確認するものとする。
(動物実験の実施)
第8条
動物実験実施者は、動物実験の実施にあたっては、この規則に定めるところによるもののほか、法令等及び次に掲げる事項を遵守し、動物実験責任者の指示に従うものとする。
(1)
第10条第2項の規定により承認を得た施設等において動物実験を行うこと。
(2)
動物実験計画書に記載された事項及び次に掲げる事項を遵守すること。
イ
適切な麻酔薬、鎮痛薬等の利用
ロ
実験の終了の時期(人道的エンドポイントを含む。)の配慮
ハ
適切な術後管理
ニ
適切な安楽死の選択
(3)
安全管理に注意を払うべき実験(物理的又は化学的に危険な材料、麻薬・向精神薬等、病原体、遺伝子組換え動物等を用いる実験をいう。)については、法令等及び本学における関連する規定等に従うこと。
(4)
前号に規定する安全管理に注意を払うべき実験を実施する場合には、安全のための適切な施設等を確保すること。
(5)
実験実施に先立ち必要な実験手技等の習得に努めること。
(6)
侵襲性の高い大規模な存命手術にあたっては、経験等を有する者の指導の下で行うこと。
(実験実施後の報告)
第9条
動物実験責任者は、動物実験を終了し、又は中止したときは、委員長が定める報告書により使用実験動物数、計画からの変更の有無、成果等について学長に報告するものとする。
2
学長は、必要に応じ、委員会の助言を受けて適正な動物実験の実施のための改善措置を講ずるものとする。
(施設等の設置)
第10条
管理者は、施設等を設置(変更の場合を含む。)する場合には、委員長が定める申請書により学長に申請し、その承認を得るものとする。
2
学長は、前項の申請があったときは、委員会の議を経てその承認又は不承認を決定し、管理者に通知するものとする。
3
動物実験責任者は、学長の承認を得た施設等でなければ、当該施設等において実験動物を飼養若しくは保管させ、又は動物実験を実施させることができない。
(施設等の要件)
第11条
飼養保管施設は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
(1)
実験動物管理者が置かれていること。
(2)
適切な温度、湿度、換気、明るさ等を保つことができる構造等を有すること。
(3)
動物種、飼養保管数等に応じた飼育設備を有すること。
(4)
床、内壁等が清掃、消毒が容易な構造で、器材の洗浄、消毒等を行う衛生設備を有すること。
(5)
実験動物が逸走しない構造及び強度を有し、実験動物が室内で逸走した場合にも捕獲しやすい環境が維持されていること。
(6)
臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置がとられていること。
2
実験室は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
(1)
排泄物、血液等による汚染に対して清掃又は消毒等が容易な構造であること。
(2)
実験動物が逸走しない構造及び強度を有し、実験動物が室内で逸走した場合にも捕獲しやすい環境が維持されていること。
(3)
常に清潔な状態を保ち、臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置がとられていること。
(施設等の維持管理及び改善)
第12条
管理者は、動物実験の遂行に必要な施設等の維持管理及び改善に努めるものとする。
2
実験動物管理者は、実験動物を適正に管理するものとする。
(施設等の廃止)
第13条
管理者は、施設等を廃止する場合には、委員長が定める廃止届により学長に届け出て、その承認を得るものとする。
2
管理者は、施設等を廃止するときは、必要に応じて動物実験責任者と協力し、飼養又は保管している実験動物を他の飼養保管施設又は本学以外の機関に譲り渡すよう努めるものとする。
(取扱いの作成及び周知)
第14条
管理者及び実験動物管理者は、実験動物の導入、微生物モニタリング等による健康管理等実験動物の飼養及び保管に関し必要な取扱いを定め、動物実験実施者及び飼養者に周知するものとする。
(実験動物の健康及び安全の保持)
第15条
管理者、動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者は、飼養保管基準及び前条の取扱いを遵守し、実験動物の健康及び安全の保持に努めるものとする。
(実験動物の導入)
第16条
管理者は、実験動物の導入にあたっては、法令等に基づき適正に管理されている機関より導入するものとする。
2
実験動物管理者は、実験動物の導入にあたっては、適切な検疫、隔離飼育等を行うものとする。
3
実験動物管理者は、実験動物の飼養環境への順化及び順応を図るための必要な措置を講じるものとする。
(給餌及び給水)
第17条
動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者は、実験動物の生理、生態、習性等に応じて、適切に給餌及び給水を行うものとする。
(健康管理)
第18条
動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者は、実験動物が実験目的以外の傷害を負うこと又は実験目的以外の疾病にかかることを予防するため、実験動物に必要な健康管理を行うものとする。
2
動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者は、実験動物が実験目的以外の傷害を負った場合又は実験目的以外の疾病にかかった場合には、実験動物に適切な治療等を行うものとする。
(異種又は複数動物の飼育)
第19条
動物実験実施者、実験動物管理者、及び飼養者は、異種又は複数の実験動物を同一施設等内で飼養又は保管する場合には、その組み合わせを考慮した収容を行うものとする。
(記録の保存及び報告)
第20条
管理者、動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者は、実験動物の入手先、飼育履歴、病歴等に関する記録を整備し、保存するものとする。
2
管理者は、年度ごとに、飼養又は保管した実験動物の種類、数等を学長に報告するものとする。
(譲渡)
第21条
管理者、動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者は、実験動物の譲渡にあたっては、その特性、飼養保管の方法、感染性疾病等に関する情報を提供するものとする。
(輸送)
第22条
管理者、動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者は、実験動物の輸送にあたっては、飼養保管基準を遵守し、実験動物の健康及び安全を確保し、並びに人への危害防止に努めるものとする。
(危害防止)
第23条
管理者は、実験動物が逸走した場合における実験動物の捕獲の方法をあらかじめ定めるものとする。
2
管理者は、実験動物に由来する感染症及び実験動物による咬傷等に対する予防の措置並びに当該感染症及び咬傷等の発生時の必要な措置を講じるものとする。
3
管理者は、毒へび等の有毒動物を飼養又は保管するにあたっては、人への危害の発生の防止のため、飼養保管基準に基づき必要な事項を別途定めるものとする。
4
管理者、動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者は、実験動物の飼養又は保管に関係のない者及び当該実験の実施に関係のない者が実験動物に接触しないよう必要な措置を講じるものとする。
(緊急時の対応)
第24条
管理者は、地震、火災等の緊急時にとるべき措置に関する計画をあらかじめ作成し、関係者に対して周知を図るものとする。
2
動物実験責任者及び実験動物管理者は、緊急事態が発生した場合には、直ちに実験動物の保護、実験動物の逸走による人への危害の防止等必要な措置を講じるとともに、管理者に報告するものとする。
3
管理者は、前項の通報を受けたときは、適切な措置を講じるとともに、学長に報告するものとする。
4
管理者は、人に危害を加えるおそれのある実験動物が施設等外に逸走した場合には、速やかに関係機関へ連絡するものとする。
(教育訓練)
第25条
学長は、動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者に対し、次に掲げる事項について教育訓練を行うものとする。
(1)
法令等及び本学の規定に関する事項
(2)
動物実験の方法に関する基本的事項
(3)
実験動物の飼養保管に関する基本的事項
(4)
安全確保及び安全管理に関する事項
(5)
人獣共通感染症に関する事項
(6)
施設等の利用に関する事項
(7)
その他動物実験の適正な実施に関し必要な事項
2
学長は、前項の教育訓練の実施日、教育内容、講師及び受講者名の記録を保存するものとする。
3
学長は、動物実験実施者、実験動物管理者及び飼養者の別に応じて必要な教育訓練が確保されるように努めるものとする。
4
教育訓練の実施に関し必要な事項は、委員会の議を経て、学長が定める。
(自己点検・評価及び検証)
第26条
学長は、委員会に、基本指針への適合性並びに飼養保管基準の遵守状況に関し、毎年、自己点検・評価を行わせるものとする。
2
委員会は、動物実験の実施状況等に関する自己点検・評価を行い、その結果を学長に報告するものとする。
3
委員会は、管理者、動物実験責任者及び実験動物管理者に、自己点検・評価のための資料を提出させることができる。
4
学長は、自己点検・評価の結果について、学外の者による検証を定期的に受けるよう努めるものとする。
(情報公開)
第27条
学長は、基本指針に基づき、本学における動物実験に関する情報を毎年1回程度公表するものとする。
(準用)
第28条
第3条第2号に規定する実験動物以外の動物を動物実験の利用に供する場合には、本規則を準用するものとする。
(その他)
第29条
この規則に定めるもののほか、動物実験等の実施に関し必要な事項は、委員会の議を経て学長が定める。
附 則
1
この規則は、平成20年7月17日(以下「施行日」という。)から施行する。
2
京都工芸繊維大学動物実験指針(平成元年10月26日制定。以下「指針」という。)及び京都工芸繊維大学動物実験委員会規則(平成6年12月15日制定。)は、廃止する。
3
施行日の前日において廃止前の指針に基づいて実施している動物実験の責任者は、施行日以後当該実験を実施する場合にあっては、委員会が定める日までに規則第6条第1項及び第9条第1項に規定する申請を行わなければならない。
4
前項の規定により申請されている動物実験並びに当該実験に係る施設及び設備は、施行日から当該申請に対する承認又は不承認の通知を受ける日までの間、この規則の相当規定による承認を得ているものとみなす。
5
この規則の施行後、最初に委嘱される第5条第3項第2号及び第3号の委員の任期については、同条第6項本文の規定にかかわらず、平成22年3月31日までとする。
附 則(平成24年4月1日)
この規則は、平成24年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月26日)
この規則は、平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成27年6月25日)
1
この規則は、平成27年7月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
2
施行日の前日において、現に在任している改正前の規則第5条第3項第2号及び第3号の委員は、改正後の規則第5条第3項第2号及び第3号の委員とみなし、その任期は、現に委嘱されている期間の終了する日までとする。
附 則(平成30年3月22日)
この規則は、平成30年4月1日から施行する。
附 則(平成30年4月3日)
この規則は、平成30年4月3日から施行する。
附 則(令和3年3月24日)
この規則は、令和3年4月1日から施行する。
附 則(令和6年3月28日)
この規則は、令和6年4月1日から施行する。