平成28年度職員派遣研修(短期)
川嶋 恵理子

所属  財務課
氏名 川嶋 恵理子
期間 平成27年11月7日~平成27年11月22日
滞在先

オーストラリア ビクトリア州

1.研修概要等について

● ディーキン大学及び附属語学学校概要  

    ディーキン大学はオーストラリア南東部ビクトリア州に4つのキャンパスを持つ公立大学です。1974年に開校し、ビクトリア州内の人気ランキングではモナシュ大学、メルボルン大学に次ぎ第3位となり、世界大学評価機関QSからも5つ星評価を獲得しています。有する学部は医療、生物化学、法律・経済、教育、エンジニアリングやデザイン、建築等、多岐にわたります。  

    附属語学学校は2つのキャンパスに設置されており、2015年は合計約1,000名の語学留学生を受け入れています。学位及びTESOL資格等を有する教員による教育体制、留学生のために用意された豊富なテキストやCD・DVD等の英語教材、オーディオ設備や24時間開室のPCルーム、留学生同士が交流できる談話室等、充実した環境が整えられています。このため、オーストラリア国内英語語学学校における学生の満足度ランキングでは、総合2位を獲得しています。

●  研修のスケジュールについて

 今回の語学研修では、ディーキン大学の4つのキャンパスのうち、バーウッド、ウォーターフロント、ワーンポンドの3キャンパス及び、バーウッドとウォーターフロントに設置されている語学学校を訪問し、大学・語学学校職員と意見交換及び語学学校の授業への参加を行いました。

 研修の内容ですが、大学及び語学学校における様々な事務部門の運営スタッフとの英語でのミーティングを主体とし、合間に授業を見学もしくは体験する形式となりました。ミーティングでは先方担当者が本学について関心を持たれているため、活発な情報及び意見交換を行い、オーストラリア人ネイティブとの会話を通して、速いテンポでの会話の聞き取りや、先方の関心を得られるようアピールするための表現方法等について実践的に学ぶことができました。

【日程表】

●  11月7~8日、11月21~22日:移動日

●  11月9日~13日(第1週)(バーウッドキャンパス)

11月9日(1日目)

 語学学校校長挨拶 バーウッドキャンパスの語学学校Study Tour Team職員から語学学校概要説明及びキャンパス内の施設案内、学校周辺環境について説明及び案内

11月10日(2日目)

 語学学校のGeneral Englishのレベル5のクラスに参加、他の留学生と交流

11月11日(3日目)

 語学学校Student Leaderの学生2名による学生活動についてのプレゼンテーション Exchange Study Abroad部門職員と意見交換

11月12日(4日目)

 語学学校のEnglish for Academic Purposeのレベル1のクラスに参加、他の留学生と交流

11月13日(5日目)

 語学学校Senior Managerから語学学校の教育体制や学生の様子について説明及び意見交換

 International 部門技術職員から大学・語学学校の設備について説明及び意見交換

 Global Engagement Portfolio、Financial Operation部門職員と意見交換

 ● 11月16日~20日(第2週)(ジーロング ウォーターフロントキャンパス)

11月16日(1日目)

 バーウッドキャンパスからジーロングのウォーターフロントキャンパスへ移動

 ウォーターフロントキャンパス語学学校Managerから語学学校概要説明、大学・語学学校の施設見学、ジーロングの大学・専門学校等が共同して行っている留学生誘致プロジェクトのジーロング・プロジェクトについて説明

11月17日(2日目)

 語学学校のEnglish for Academic Purposeのレベル4のクラスに参加、他の留学生と交流

 大学Governance Services部門職員から説明及び意見交換

 放課後、語学学校主催の留学生自由参加のFree Conversationに参加、留学生と交流

11月18日(3日目)

 大学独自のGlobal Citizenship Programについて担当職員から説明

 留学生支援担当職員から支援体制について説明

 放課後、語学学校主催の留学生自由参加のパーティーに参加、留学生と交流

11月19日(4日目)

 語学学校のEnglish for Academic Purposeのレベル1のクラスに参加、他の留学生と交流 

11月20日(5日目:最終日)

 大学のIT services and Infrastructure担当職員の案内でワーンポンドキャンパスの実験施設・設備見学

 Deakin University Student Association(大学の学生会)リーダーの案内でワーンポンドキャンパスを見学

●  バーウッドキャンパス概要

 バーウッドキャンパスは、メルボルン中心部からトラム1本で約45分の郊外に位置しています。有する学部はビジネス、コミュニケーション&アート、教育、環境科学、ヘルスサイエンス等です。敷地内には学部及び語学学校、寮があり、その他図書館や体育館、スポーツジム、複数のカフェテリア等が整備されています。

 語学学校は独立した1つの建物で、2015年は約900名の留学生を受け入れているとのことです。寮と語学学校は建物同士が徒歩5分程度の距離で向かい合っており、語学学校内の教材室やPCルーム等の施設を非常に利用しやすく、学習に専念することのできる環境にあります。

 周辺環境ですが、住宅地に囲まれていると共に、私立の女子学校と隣接しており、日中から夕方には地元住民が運動や犬の散歩をしていたりと、非常に落ち着いた環境にあります。留学生はホームステイをする場合、トラムやバスで通学しています。ネイティブの学生の一部は車で通学しているとのことです。徒歩圏内にスーパーマーケットはありませんが、トラムで10分程の停留所付近に24時間オープンの大型のスーパーマーケットやホームセンターがあり、食品や日用品から調理器具や組み立て式の棚まで購入することができますので、生活に不自由はなく感じられました。

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(左)ディーキン大学の湾曲した形が印象的な校舎。

(右)オフィス用ビル。学会やイベントで使用されるホールを備えているとのことです。

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(左)語学学校校舎。4階建てで、講義室や談話室、自習室、PCルームが整備されている。

(右)語学学校内部。4階まで吹き抜けの空間で開放的な雰囲気。

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(左)語学学校講義室。デジタルホワイトボードが完備。

   教員は前方教壇にある授業システムにより、簡単な操作でネット動画等も使用できる。

(右)語学学校横にあるカフェテリア。昼休みには学生で満員状態でした。

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(左)寮外観

(右)寮の部屋:トイレ・シャワールーム、キッチン付き。

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共用のダイニングルーム。キッチンやソファ、TVもあり、試験終了後等は学生が集まるそうです。 

● ジーロング ウォーターフロントキャンパス及びワーンポンドキャンパス概要

(1)ウォーターフロントキャンパスについて

 ウォーターフロントキャンパスはジーロング中心部に位置し、周辺には企業ビルや大型スーパーマーケットが建ち並ぶと共に、校舎の一部は道路を挟んで海に面しており、落ち着いたバーウッドキャンパスに比べると、非常に開放的な雰囲気となっています。メルボルンからは車で1時間半程度です。また、後述するワーンポンドキャンパスとの間に、大学がシャトルバス(学生、職員が無料で乗車できる)を運行しています。バスは7:00~20:00の時間帯で、30分に1本運行しています。

 有する学部は医療、建築、ビジネス、コミュニケーション&アート、法学、情報科学、人間科学等があります。語学学校では約80名の学生を受け入れており、学部と同じ建物内に語学学校オフィスが設置されています。語学学校の学生はほぼ全員が大学進学を目的としているため、学生の英語学習への意識が高く、設置されているクラスも学術英語専門のクラスになります。

 周辺環境は、ジーロング中心部ではあるものの、小さな商店やカフェ、家等が建ち並ぶため、非常にローカルな街並みを体感することができます。また、大学を起点として10~20分の徒歩圏内に、大きな公園やミューアジアム、歴史的建造物が点在しています。街中は白人系住民が多く、アジア系住民はほぼ見られませんでしたが、ローカルな雰囲気の中でも外国人を受け入れる、移民の多いオーストラリアならではの大らかさを感じました。

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(左)ウォーターフロントキャンパスの校舎。

(右)1階の受付及びオープンスペース。

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(左)語学学校オフィス。

(右)校舎のあらゆる場所に学生の作業スペースが設置されています。

   右端のモニターはPC等が接続でき、学生はPCを使用しながらミーティングが可能です。

(2)ジーロング・プロジェクトについて

 ウォーターフロントキャンパスは、留学生の積極的な誘致を目的として複数の大学・学校が連携している、ジーロング・プロジェクトに参加しています。ジーロングは元々工業及び運輸で発展した都市でしたが、近年産業の中心がサービス業等の第3次産業へ移行しています。この状況を背景に、ジーロングには英国王室の皇太子が1年滞在していた私立学校や、日本人のビジネスマンが始めた私立校など、複数の大学や専門学校等がありますが、これらの学校が共同して留学生の誘致活動に取り組んでいるとのことでした。

  一般的に、留学生は知名度の高い大都市のメルボルンを選択する傾向にあります。ローカルな雰囲気の街で、ネイティブのオーストラリア人と接する機会が多いことや、海や山等豊かな自然を活かしたマリン・アクティビティや山登り、スカイダイビング等、ジーロングならではの体験ができることをアピールポイントとして、より多くの留学生を迎えるため活動を行っています。

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ウォーターフロントキャンパス校舎から、ジーロングの海辺が見渡せます。

(3)ワーンポンドキャンパスについて

 ワーンポンドキャンパスはウォーターフロントキャンパスからシャトルバスで約30分の、ジーロング郊外にあるキャンパスです。広大なキャンパスの一部区域には、多数のアパートや一戸建ての寮が並び、学生はシェアハウス形式で生活しています。学部はビジネスや化学、エンジニアリング等様々で、広大なキャンパス内には校舎及び図書館、寮の他、現在サッカー場や病院が建設中とのことでした。

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学部棟。講義室、実験室、事務局等が設置されています。

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(左)滞在した寮外観。 ワーンポンドキャンパスでは、アパートや一戸建て、ビル形式等様々な寮があります。

(右)他の寮です。この他にも多数の寮があります。

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寮の内部:共用スペースと、鍵付きのベッドルーム(トイレ・シャワーは別)。

●  メルボルン市内の様子について

 メルボルン市内へは大学の正門前の停留所からトラム1本で、約45分で行くことができます。市内中心部はトラムにより1時間程度で1周でき、徒歩でも回ることが可能です。研修時期が11月中旬で日本の休暇時期でなかったため、市内は観光客で賑わっていましたが、日本人はほぼ見られませんでした。また、オーストラリアは移民の多い国とのことで、商店やカフェのスタッフも、様々な国の人が見られましたが、街中の一般市民も含め、非常に気さくで親切でした。店等でスタッフの英語が聞き取れなかった場合も、繰り返して欲しいと言えば、快く繰り返し対応をしてくれました。

 市内には、トラムによる移動が必要な場合もありますが、大規模な博物館や旧万国博覧会展示場、庭園、旧監獄、放射線状の机の並びが有名な図書館等、様々な文化的施設があります。一部施設では日本語ガイドが用意されていますが、基本的には非常に平易な英語での解説が用意されているため、不自由しませんでした。  

 市内中心部を歩いて感じたのは、「オーストラリア人ネイティブの英語は、非常に速く難しい」ということです。カフェや店のスタッフは親切ですが、ナチュラルスピードで話をするので、聞き取って相手に遅れないスピードで言葉を返し、会話を続けることには苦労しました。ですがこのことから、語学学校ではネイティブの教員や職員は学生のために、明瞭にゆっくり英語を話していることが分かり、ネイティブ・ノンネイティブの様々な発音・アクセントの英語に触れ、多数の国の方と話をするという、非常に貴重で面白い経験をすることができました。

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(右)市内及び郊外を走るトラム。

(左)奥に見えるのが、有名なフリンダースストリート駅。

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(右)1880年のメルボルン博覧会のために建設された王立展示館。

(左)化石からメルボルンの歴史、アボリジニ文化まで展示されているメルボルン博物館。

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メルボルン工科大学の校舎。奇抜な外観のビルが突然現れるため、驚きました。

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(右)ビクトリア州立図書館。前面に広がる芝生では、市民が日向ぼっこをしていました。

(左)市内中心部の路地。鮮やかなストリートアートが見られました。 

● ジーロング中心部の様子について

 ウォーターフロントキャンパスはジーロングの中心部に位置し、大学を起点として議事堂、ミュージアム、旧郵便局舎、教会等へ行くことができます。街並みは平屋建ての商店やカフェが並び、大都市のメルボルンとは異なり、非常にローカルな街の雰囲気を感じました。 

 留学生は釣りや水泳、近郊の山登り、また関心がある学生は電車で1時間かけてメルボルンへ出かけるなど、様々な活動を楽しんでいるそうです。

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キャンパス付近の街並み。個人商店や教会等、メルボルンよりもオーストラリアのローカルな雰囲気を感じました。


2.研修内容及び派遣先機関との意見交換について

 ● 語学学校の教育体制について

(1)講義について

 ディーキン大学附属語学学校は2015年ではバーウッドで900名、ジーロングで80名の留学生を受け入れています。中国・タイからの留学生が多く、日本人については、2015年11月現在では100名の学生が在籍し、語学学校全体で教員100名、事務局及びサポート部門スタッフ10名、クラス数60を有するとのことでした。

 講義についてですが、5週間で1Intakeが設定され、最短で5週間の受講期間となり、留学生で一般的な受講期間は20週間とのことです。

 附属語学学校に入学する生徒は、語学そのもの、又は大学進学を前提とした語学学習の目標を設定しています。1Intake内でGeneral English(一般英語、以下GE)又はEnglish for Academic Purpose(学術英語、以下EAP)のいずれかのクラスを学生が選択し、テストによるレベル判定がされます。GEはレベル1~9、EAPはレベル1~4が設定され、GE5がEAP1に相当します。EAPは大学学部又は院への進学を目的としたクラスで、エッセイの書き方や論文の読み方、プレゼンテーションの練習など、GEより難易度の高い授業が行われます。

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語学学校受付。休憩時間は学生で混雑していました。

(2)学生の自主学習支援体制について

  語学学校では、学生の自主学習のために用意された設備や教材も非常に充実していました。中でも非常に印象に残った2つの施設について、紹介させていただきます。

① ILCルーム(Independent Learning Center)

  バーウッド語学学校内に設置された、語学学校生徒のための自主学習用の教材室です。この部屋にはリーディング、ライティング、リスニング用教材としての書籍、CD・DVD、雑誌等の膨大な量の教材が保管されています。教材は全てGE1~9及びEAP1~4に分類されており、学生のレベルに応じた徹底的な支援体制を感じました。

 また開室時間中はスタッフが常駐しており、教材を利用しに来た学生に対し、アドバイスを行う体制をとっていました。

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ILCルーム。奥の本棚は全て貸出可能な学習用教材、向かいの壁一面にはDVDが用意されています。

② Conversation Games Room

 こちらもバーウッド語学学校内に設置された、語学学校の留学生同士が交流するための部屋です。この部屋では「English Only」という規則がありますが、ボードゲームやカードゲーム、雑誌などが豊富に用意されています。部屋には4つのテーブルと椅子やソファが設置されていますが休憩室のような雰囲気で、訪れた学生はゲーム等を楽しみながら他の留学生と交流し、英会話の練習をすることができます。

 この部屋にも開室時間中は教員が1名常駐しており、訪れた学生に対してアドバイスを行ったり、会話を弾ませるためにリード役を行ったりするとのことでした。

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英語で会話するというルールの留学生交流用の談話室。ゲームや雑誌が用意されている。

 ①及び②のどちらの部屋についても、休憩時間や自習時間、放課後に訪れると常に学生で満室状態でした。②の部屋では留学生たちがリラックスした様子でボードゲーム等を楽しんでいる姿が印象的でした。

 語学学校では学生の語学学習に対し、学校が徹底して支援を行う姿勢が感じられました。学習主体の留学生自身が、英語を楽しんで学ぶことができると共に、自ら積極的に「英語を話したい」と感じられるような環境づくりがなされていたと思います。

● 語学学校の授業内容について

(1)研修で体験した授業内容について

 ディーキン大学附属語学学校はバーウッドキャンパス及びウォーターフロントキャンパスに設置されています。授業の種類は一般的な英会話を学ぶGeneral Englishクラス(以下GE)、大学学部・院進学を目的としたEnglish for Academic Purpose(以下EAP)の2種類で、GEはレベル1~9、EAPはレベル1~4、GE5がEAP1に相当します。

 今回の研修では、第1週目にバーウッドキャンパスのGE5及びEAP1、第2週目にEAP1及び4のクラスを受講又は見学しました。

(2)General Englishクラスについて

 GEクラスは週に5日、バーウッドキャンパスでは午前・午後の計4時間に自習時間を1時間挟んで行われます。

 参加した授業は学生14名で、アジア系の学生が混在していました。午前中2時間は、市販のテキストを使用してグローバル化について考えながら、新しい語彙やSVOCや冠詞等の基本的な文法事項について学びました。午後の2時間は教員が配布したコピーを使用して、実際の英会話で使用する表現(今回はColuld you repeat that, please?等、相手に聞き返す表現)やリスニング練習を行いました。

 教員からの教授方法ですが、常に学生に対し質問を投げかけ、学生を思考・発言させる姿勢で行われました。例えば使用するテキストの指示通りではなく、「この写真を見て今日のテーマを考えましょう」「この文脈で、この単語はどのような意味があると思う?」等です。学生も挙手せずに自由に発言しますが、教員は正解・不正解に関係なく、学生のあらゆる発言を今回のテーマに繋げるようリードを行い、授業を進めていました。

(3)English for Academic Purposeクラスについて

 EAPクラスは週に5日、バーウッドキャンパスではGEと同じ時間設定で行われます。ウォーターフロントキャンパスでは午前・午後の計5時間行われました(バーウッド校の自習1時間が授業に充てられているようです)。学生についてはGEと同様に、14名程度でアジア系・ヨーロッパ系の学生が混在しての授業が行われています。

 EAPクラスでは、語学学校が独自に作成したテキスト及び教員からの配布資料により行われます。初級のEAP1では主にエッセイの書き方について、基本的な文構造を学び、並行して実際にエッセイを書くという授業が行われています。バーウッドキャンパスではメルボルン中心部での課外活動に向けて、教員の提示した文化施設・観光名所について学生が調べ、ツアーガイドを作成してプレゼンを行うグループワークがされていました。

 また、授業で面白いと感じたのは、発音練習のためのゲームでした。異なる国籍同士の学生がペアとなり、張り紙の英文を暗唱してペアの学生に書き出させます。私はベトナム人学生とペアになりましたが、英語に互いの国の訛りがでるため、ゲームの中で自分の訛りや他国の特徴的な訛りについて経験することができました。グローバル化にあたってはノンネイティブの英語話者が増加しますが、ノンネイティブ各国の英語について知り、対応できるようになることも重要だと感じました。

 EAP4はEAPでは上級レベルですが、ほぼ大学の講義に近い内容で行われていると感じました。10pの英語論文を使用し、内容について検討・議論を行い、その後、オーストラリアのラジオ放送(4分程度)を教材に、リスニング練習を行いました。ラジオ放送を用いるのは、オーストラリア英語は独特のアクセントやスラング、非常に速いスピードにより他の英語よりも難しく、これらに慣れるためです。大学の講義ではネイティブの教員や学生を肩を並べることになるため、語学学校の講義とは難易度が段違いに異なります。このため、リスニング教材は積極的に多用し、学生に慣れさせ、覚えさせていくとのことでした。

 学生の様子ですが、大学学部・院進学を目的としているため、語学力や授業に取り組む姿勢はGEクラスの学生に比べ非常に高く感じました。

 


3.本研修を通して得たこと、考えたこと

 今回の短期語学研修では、主に先方職員との情報交換を行いながら、ディーキン大学及び附属語学学校の充実した教育体制や設備、また、20を超える国から多数の留学生を受け入れている豊富な実績をふまえた支援体制を知ることができました。グローバル化を推進する本学においても、今後活用できるのではないかと感じた方策や考え方、感じたことについて以下に3点、述べさせていただきます。

 1点目ですが、ディーキン大学から様々な説明を受ける際に、アピールポイントについて、非常に具体的に提示されることが印象に残りました。情報交換の中でも、「留学生の文化的背景や心情に配慮した相談室を、設備・雰囲気の両面から整備している」「留学生の状況把握や留学生同士の交流のため、定期的にパーティーやイベントを開催している」等、留学生に対しどのような対応を行っているか、非常に具体的な説明がありました。話の内容が具体的であるほど、留学に対する不安が払拭され、同時に、留学先の大学を非常に魅力的に感じることができました。この点は、今後海外大学へ本学をアピールするにあたり、活かすことができるのではないかと思いました。

 2点目は、計画・事業実施後の結果に対し情報収集及び分析を行い、次の計画へ反映させることに徹底的に取り組む姿勢の重要性を感じました。本学では今後グローバル化に向けて様々な取り組みを行うことと思いますが、実施結果を正確かつ十分に把握・分析し、その結果を活かして次の段階へ進む行為は非常に重要であると改めて感じました。ディーキン大学では知名度向上のため、長らく取り組みを続けてきたそうですが、すぐに成果が出ずとも、計画→実施→結果→見直し→計画、のサイクルを継続することで大きな成果をあげることができたそうです。  

 最後に、「グローバル化にとって重要なことは何か」について、目の前の多様な文化に対し積極的にかかわり理解を試みる姿勢ではないか、そのような姿勢で居ようとすることが重要ではないかと感じました。私はオーストラリアでの滞在中、様々な国籍の留学生と、会話をする機会に恵まれました。お互いノンネイティブの者同士、英語で会話をしましたが、互いに意思疎通を図ろうとする意思があれば、多少の訛りや聞き取りづらさ、理解のしづらさは大きな問題ではありませんでした。相手の言うことを正確に理解し、自分の意思を正確に伝えることに意識を向けていましたが、一方で、自分の発言や所作が相手の文化圏の中でタブーや失礼に当たらないかを常に考えていました。グローバル化の中で遭遇する全ての文化について知り、理解することはできませんが、目の前の相手や将来出会うであろう相手に対し、理解しようと努めることが大切なのだと思います。

 本研修ではネイティブの職員との情報交換が主でしたので、このような形での滞在は初めてだった私にとって難しい内容でしたが、相手の興味関心に応じ、伝えるべき情報を英語に置き換え、意思疎通を図り、ミーティングを進めることは新鮮な体験でした。英語は目的ではなく、コミュニケーションのための手段だということを実感することができたとても有意義な研修でしたので、今後グローバル化を推進する本学の業務において、本研修で学んだことを活かしていきたいと思います。