植物は地球上のすべての生物にとって欠かすことができない存在です。植物は固着性であるため、育っている場所の環境にどのように「適応」していくのかがその場所で生きていけるかどうかを決めます。
植物の生育や生存にとって重要なはたらきである「光合成」は,特に環境変化に敏感であることから、植物は光合成の環境適応のための巧妙な仕組みを備えています。近年、その仕組みの中でも、葉の内部での二酸化炭素輸送過程が注目されています。進化の頂点である高等植物から原始的なコケ植物に至るまで、さまざまな植物の光合成の環境適応戦略について紹介します。
【演 者】
半場 祐子
京都工芸繊維大学・応用生物学系・教授