両⽣類は、古くから実験⽣物学の材料として使われてきました。中でもアフリカツメガエル(Xenopus laevis)は、季節を選ばず実験室でホルモン注射により容易に卵を得られることから、細胞⽣物学・発⽣⽣物学の材料として、⻑年重宝されてきています。例えば、⼭中伸弥博⼠と共に2012年にノーベル賞を受賞したSir John Gurdon博⼠の受賞理由となった1950-60年代の研究は、当時の科学技術レベルではカエルでなければ成し得なかった成果の⼀端でした。⼀⽅、現代⽣物学に⽋くことのできない遺伝学的解析に関しては、X. laevisが4倍体ということもあり、マウス、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュ、線⾍などのモデル⽣物の後塵を拝してきました。しかし、2倍体である近縁種のXenopus tropicalisを⽤いた系の開発と近年の遺伝⼦改変技術の⾰新的進歩により状況は⼀変しつつあり、“Xenopus”が発⽣遺伝学のモデル⽣物として新たな注⽬を集めつつあります。
本講演では、X. tropicalisを⽤いた実験発⽣遺伝学的アプローチによる遺伝⼦の機能解析、具体的には眼や脳の発⽣に関わる遺伝⼦の突然変異体を作成し解析を⾏った最新の知⾒を紹介します。
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【演 者】
中山 卓哉 氏
Department of Biology, University of Virginia, USA