基金の趣意

京都工芸繊維大学基金の趣意

 およそ125年前に創設された京都工芸繊維大学の前身校である京都蚕業講習所(京都高等蚕業学校)及び京都高等工藝学校は、日本の伝統技術に基づく近代化にいち早く取り組み、日本の産業振興に寄与してきました。
 また、昭和24年に国立大学として創立された本学は、小規模工科系大学ながら科学技術の研究と開発による実学を常に念頭におき、学問のみならず20世紀日本の経済成長、社会発展に寄与するとともに、大学教育を通して実学を支える人材の育成を行ってきました。
 その間、幾多の気鋭な人材を輩出し、彼等、彼女達が、本学の期待に応え、京都をはじめ全国各地において、あるいは国際的な舞台において輝かしく活躍しておりますことを大きな誇りとするものです。
 平成16年4月に国立大学法人となった本学は現在、ART×SCIENCE、LOCAL×GLOBAL、TRADITION×INNOVATIONの3本柱を理念として人材育成を行い、大学改革を進めております。
 さらに、令和4年度からは、博士課程の一般入試入学者全員の授業料を3年間全額免除する本学独自の制度や、博士課程学生が安心して研究に打ち込めるよう生活費と研究費を支援するフェローシッププログラムを開始するなど、博士課程学生への経済支援制度を拡充しております。
 教育研究の成果は、実感できるまでに時間がかかりますが、今後も、これからの10年、20年、50年、100年後を見据えた人材育成を行っていく所存です。
 しかしながら、将来を担う有意な人材を育て、特色ある教育研究を一層力強く推進していくには、より柔軟で機動的な財政基盤の確立が不可欠です。
 このため、本学は、京都工芸繊維大学基金を創設してこれに備えることとし、学内外に広くご厚志を募っております。
 なにとぞ、本趣意をご理解いただき、引き続きご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

京都工芸繊維大学基金委員会委員長
吉本 昌広