合格者体験談

情情報工学課程 3回生 ダビンチ(AO)入試合格

 こんにちは。工芸科学部情報工学課程3回生です。本日は京都工芸繊維大学のオープンキャンパスに足を運んで頂き、ありがとうございます。私からは本校のAO入試であるダビンチ入試についてと、大学での学びについてお話ししたいと思います。

 はじめに、皆さんはAO入試というものをどのように思っていますか?私は現役の時、正直なところ、はるか遠くの存在のように感じていました。「その分野において数々の賞を獲得しているような人が受験するのだろう」、そう思っていました。今聞いてくださっている方の中に、もしかしたらそのように考えていらっしゃる方もおられるかもしれません。ですが、決してそうではありません。他人よりほんの少し誇れることと、将来に対する明確な目標があれば十分に狙える範囲だと思います。自分には関係のない話だとは思わずに聞いて頂けたらと思います。

 私がダビンチ入試に挑戦しようと思ったのは、浪人生の春でした。私はもともと工繊大が第一志望で、現役で一般入試を受験しましたが落ちてしまいました。それでもやはり工繊大をあきらめられず入試形式などを調べているときに、ダビンチ入試について知りました。ダビンチ入試を受験しようと思った最大の理由は、その独特な試験形式にあります。他の大学の AO入試は一般入試と同じような問題が課されますが、工繊大のダビンチ入試はペーパーテストでは図ることができない能力も判定されます。また、その試験形式が私の比較的得意とするものであったため、これは受けるしかないと思いました。

 個人的に、ダビンチ入試で最も苦労したところは『志望理由書・自己推薦書』でした。ですが、この『志望理由書・自己推薦書』はとても重要なものであると思います。なぜなら、ダビンチ入試も一般入試同様、本番は一発勝負ですが、『志望理由書・自己推薦書』は唯一時間をかけられます。志望理由書は書いていくうちに自分の将来の目標がはっきりしてきます。それゆえしっかりしたものが書けると、本番の時に有利になると思います。

 情報工学課程のダビンチ入試は、一次選考・最終選考ともに大学の教授による講義を受けて課題に取り組む試験があります。特に最終選考はその課程にそった内容の講義なので、内容に興味がもてて面白いし、入試に来ているというより大学に体験入学に来ている感覚でした。私が受験した年の最終選考の講義内容は正規表現とオートマトンでしたが、大学でこれらを学んだのは実は 3 回生になってからでした。「大学3回生の内容なんて分かるわけがない!」と思った人もいらっしゃるかもしれませんが、ダビンチ入試では、受験生にも分かりやすいように工夫して講義をしてくださるので、決して難しいということはありません。

 さて、ダビンチ入試は一般入試より、もっと言えばセンター試験より早く合格が決まります。その後、どのように過ごすかが重要になってきます。工繊大はダビンチ入試合格者に対し入学前教育を行っており、受験勉強で身につけた学習習慣の維持をすることができます。その他にも、大学の勉強の先取りや自動車教習所に通うこともできます。

 ダビンチ入試を受け、自分自身成長したなと思う点がいくつかあります。まず、将来の目標や、そのために大学で学びたいことが明確になりました。明確な目標が生まれると、しなければならないことが分かりますし、なによりモチベーションの維持にもつながります。また、情報工学課程の最終選考でグループディスカッションの試験を受けたことで、コミュニケーション力が鍛えられ、また、班活動における協調性も学ぶことができました。ただの受験でなく、様々な能力を養うことができる工繊大のダビンチ試験は受験してよかったと思えるようなものでした。

 さて、ダビンチ入試の話はここまでにして、少しだけ大学での学びについてお話させていただきます。ここには様々な課程を志望される方がいらっしゃるかと思いますが、私の所属する情報工学課程では 1回生の頃は高校数学の延長である「線形代数」や「基礎解析」、高校物理の延長である「基礎力学」や「基礎電磁気学」などの科目が中心です。1回生の後期になってから「プログラミング」や「ソフトウェア演習」といった専門的な科目が登場し、2回生以降になると「システム解析」や「情報理論」といった専門的な科目が主となります。

 ここで、3回生の前期に行われた「情報工学実験及び設計Ⅰ」という実験科目をご紹介します。大きく分けて3種類の実験を行ったのですが、そのうち倒立振子の実験は非常に面白いものでした。“倒立振子”という単語がピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。ここで、少し昔のことを思い出してみてください。皆さんは、長い棒状のものを手のひらに乗せ、倒れない様にバランスを保つといった遊びをしたことがあるのではないでしょうか。箒や傘などがいい例です。その“棒が倒れない様にバランスを保つ”ということを機械でできるようにしようというのがこの実験の目標です。人間には簡単なことですが、機械には非常に難しいことです。質量や重力、モータの電圧、などなど様々な要素を考慮した上で制御しなければなりません。また、この実験では「こうすれば完璧に制御できる」といった答えはありません。システムに入力する数値によって結果は大きく変わるので試行錯誤の連続です。確かにシステムの設計には大変苦労しましたが、上手く棒の制御に成功した時の達成感はひとしおでした。

 高校までの理系科目は明確な答えが存在するものがほとんどですが、大学ではこの実験の様に明確な答えが無いことも多数扱います。そういったところは高校と大学との差であると思います。また、この実験でもそうでしたが、設計工学域では高校数学で学習した内容、特に微積分が頻繁に必要となります。なので、高校数学は手を抜くことなく学習し、確実に習得しておくことをお勧めします。

 大学で学ぶ内容は非常に難しいものですが、分かると楽しいと感じられるものでもあります。そのためにも高校生のうちから頑張って勉強していってください。大学に入ってから必ず役に立つことでしょう。高校での勉強は受験のためだけではないということを胸に刻んでいただければと思います。