平成28年度海外教育連携教員派遣報告
福澤 理行 准教授 (ラ・ロシェル大学、カントー大学等)

所属 情報工学・人間科学系
氏名・職名 福澤 理行 准教授
専門分野 画像工学
期間 平成28年7月1日~平成29年3月30日
滞在先 ホーチミン理科大学(ベトナム),カントー大学(ベトナム), ラ・ロシェル大学(フランス)他

はじめに

 ホーチミンはベトナム南部で最大の都市で、市街には著名な大学や高校が集結しているほか、日系や欧米系を含め多数のIT企業もオフィスを構えています。最近では日本の高島屋が出店して話題となりました。カントーはホーチミンからさらに南西に150km程度に位置するメコンデルタ最大の都市で、市内最大規模のカントー大学を中心に、近年発達の著しい地域です。私は、ホーチミン理科大学、カントー大学に12月まで滞在し、1月からはフランスのラ・ロシェル大学に滞在しています。ラ・ロシェルは、フランス大西洋岸の美しい港町で、冬でも比較的温暖です。

ラ・ロシェル大学

滞在先での生活

 ホーチミン理科大では、私が第二指導教員となっているベトナム人博士課程学生への研究指導をはじめとして、修士課程学生や、学部特別プログラムAPCS(Advanced Program in Computer Science)生を対象とする集中講義等を担当しました。滞在後半には、グローバルインターンシップで来越したKITの修士学生と合流し、ベトナム人学生と合同で画像処理ソフトウェアを開発するワークショップも開催しました。カントー大では、修士課程学生向けの講義「信号処理特論」と、学部生向け実習「IoTセミナー」を担当しました。本セミナーは、その後、現地の若手教員と選抜学生による研究プロジェクトとして継続中です。情報学部の高度教育クラス(High-quality class)でも特別講演を行いました。ベトナムの修士学生は、いわゆる社会人学生が大半で、現役のSEや大学講師も含まれます。中には私と同年代の学生も見かけました。
 ベトナム-フランス間は古くから大学間交流が活発で、ホーチミン理科大やカントー大の情報系の先生の多くはフランスの大学で学位を取得されています。ラ・ロシェル大学もその一つで、私は、L3i(Laboratoire Informatique, Image et Interaction)という研究室に滞在しています。普段は、複数の研究グループのミーティングに出席し、ベトナム人留学生を含む博士課程学生やポスドクとディスカッションしています。授業の多くはフランス語ですが、修士課程でも基礎的な演習や実習が手厚く配当されている点が特徴的です。一方、研究ミーティングは博士課程の留学生が多いためほぼ英語です。今後、画像処理・信号処理に関するセミナーや、修士課程の講義や演習への参加も予定中で、静かな環境の中で充実した日々を過ごしています。

ホーチミン理科大でのワークショップ

カントー大での特別講演

おわりに

 今回、貴重な海外派遣の機会を与えて頂いた、本スーパーグローバル大学創成支援事業に御礼申し上げます。
 また、不在中の業務等でご支援頂いている情報工学・人間科学系の先生方、研究室の学生諸君にも感謝いたします。