被災地・気仙沼の仮設住宅団地に地元間伐材等を活用したウッドデッキを制作しました

 本学建築造形学部門の阪田弘一研究室では、これまで、宮城県気仙沼市本吉地区の全仮設住宅団地523戸および石巻市の一部仮設住宅団地を対象に、適正技術を念頭に置いた住環境の改善支援活動に取り組んできました。
 今回、その活動の一環として、気仙沼市立小泉中学校内の仮設住宅団地に地元の木材を利用したウッドデッキを制作し、6月1日(土)に完成を記念したオープン・セレモニーが開催されました
 本プロジェクトは、現地での支援活動を行っているNPO法人アプカス、明石工業高等専門学校、宮城北部森林・林業活性化センター気仙沼支部との協働体制で進められ、本学からは阪田弘一准教授のほか、デザイン学部門多田羅景太助教、および学生が企画・制作に参画しました。
 ウッドデッキの材料である間伐材は、「良質な杉の産地である気仙沼・本吉地方の地域材を震災復興に活用したい」という宮城北部森林・林業活性化センター気仙沼支部からの提供を受けたものです。また、一部には大震災の津波による塩害で立ち枯れした塩害材も使用しています。塩害材は塩分を含んでいるので通常の材より腐りやすく建材として商品になりませんが、廃墟となっていた元製材所を本グループが一部再生し、塩害材の健全な部分を学生自らが切り出して使用しました。
 完成したウッドデッキが今後、仮設住宅に残る高齢者を中心とした住民たち、またその学校生徒たちの双方のためのコミュニティスペースとして、復興へ向け双方の交流を育くむきっかけとなることが期待されます。

材木の加工作業を行う学生ら 現地でのウッドデッキ設置作業
オープン・セレモニーの様子 完成したウッドデッキで寛ぐ住民たち