本学経営協議会学外委員より「財政制度等審議会における財務省提案に関する声明」が出されました

財政制度等審議会における財務省提案に関する声明

平成27年12月16日

            国立大学法人京都工芸繊維大学 経営協議会学外委員(50音順) 

             荒巻 禎一(京都府公立大学法人理事長)

             位高 光司(元日新電機株式会社会長)

             乾 賢一(京都薬科大学長)

             門川 大作(京都市長)

             小林 千洋(財団法人NHKサービスセンター ステラ事業部・事業部長)

             齊藤 修(株式会社京都新聞ホールディングス顧問)

             鈴木 順也(日本写真印刷株式会社 代表取締役社長 兼 最高経営責任者)

             堀場 厚(株式会社堀場製作所代表取締役会長兼社長)

             矢嶋 英敏(株式会社島津製作所相談役)

 私たちは、国立大学法人法に基づく経営協議会の学外委員として、国立大学法人京都工芸繊維大学の経営に関する重要事項の審議に参画し、大学に対する「社会の目」として意見を述べ、大学運営に反映させる役割を果たしてきました。とりわけ、改革加速期間として位置づけられた平成25年度~平成27年度においては、本学の特色の明確化、地域創生、グローバル化等の事業に大学構成員とともに取り組んできたところであります。

 このような中、平成27年10月26日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会において、今後15年にもわたる国立大学法人運営費交付金の削減方針が示されたことは、知識基盤社会における「知」の拠点として機能強化を進める国立大学改革の勢いを減退させるだけでなく、長期に亘る基礎研究の継続を担う国立大学存立を危惧せざるをえない事態と考えております。
 国立大学については、平成16年度の法人化以降、12年間で1,470億円もの運営費交付金が削減されており、京都工芸繊維大学においても5.5億円が削減され、財政基盤を大きく圧迫しております。この削減により、基盤的経費、とりわけ常勤教員の人件費が逼迫し、優秀な人材確保に支障が生じるとともに、教員の研究時間の減少、論文数の伸び悩みなど大学全体の研究力低下を招くという、看過しがたい状況となっています。
 法人組織として、財源の多様化による自己収入増に向けた努力は当然必要ではありますが、寄附金や産学連携等収入の継続的増加が必ずしも見込めず、また、授業料の引き上げについては、現下の経済状況では困難であります。

 私たちは、国立大学がそれぞれの強み・特色を活かした教育研究を展開し、人材育成・イノベーション創出により我が国の未来を担う中核機関としての社会的役割を果たすために、安定的な財政支援が必要不可欠であると考えております。今後、政府内にとどまらず、自治体、経済界等も含めた議論がなされ、国立大学法人運営費交付金が確保・充実されることを強く要請するとともに、各方面のご理解とご協力をお願い申し上げます。