第10回OPEN TECHシンポジウムを開催しました ‐SGU事業‐
(テーマ:電磁メタマテリアルとその応用)

 平成28年11月25日、本学の「OPEN-TECH INNOVATION」(スーパーグローバル創成支援(SGU)事業)では、本学機能強化(グリーンイノベーション)事業と共催し、「電磁メタマテリアルとその応用」というテーマで、平成28年第10回OPEN TECHシンポジウムを開催し、地域企業および本学学生や教職員など合わせて65名の来場がありました。
 今回のシンポジウムは、電子システム工学専攻が主催、学会としてはIEEE MTT-S Kansai Chapterの協賛により行われました。

 シンポジウムの主テーマであるメタマテリアルとは、自然界に存在する材料特性だけでは実現の困難な新奇な波動現象を実現する、波長に比べて十分小さな構成要素からなる人工媒質のことであり、光・電磁波はもちろん、最近では量子工学、音波、水面波など様々な波動に対して適用され、応用範囲はますます広がりを見せています。
 このうち、無線通信分野であるマイクロ波領域の電磁メタマテリアルに焦点を絞り、マイクロ波工学の分野では世界で最も著名な米国UCLAの伊藤龍男教授をお招きしました。さらに大阪大学の真田篤志教授、滋賀県立大学の酒井道教授、防衛大学校の道下尚文准教授を含む5名の講演者に、最新の動向についてご講演いただきました。

 開会の辞として、電子システム工学専攻長の政宗貞男教授より、電子システム工学課程/専攻の紹介、機能強化事業の取り組みについて述べられました。
 第1講演者であるUCLAの伊藤先生には、前半に初学者向けにメタマテリアルの基礎概念を解説いただき、後半にテラヘルツ領域の漏れ波ビーム走査アンテナ、メタ表面に関する最新の研究成果についてご講演いただきました。
 第2講演者の真田先生には、変換電磁気学と透明マントについておよびマイクロ波帯での具体的な設計・構成法と実施例について、第3講演者の道下先生には、メタマテリアルのアンテナ応用として、漏れ波アンテナの実用化・アンテナの小型化とその際の問題点等について、第4講演者の酒井先生には、プラズマを用いたメタマテリアルとその応用について、ご講演いただきました。
 最後に、表と裏で伝搬特性の異なる非相反メタマテリルとアンテナ応用について、本学の電気電子工学系 上田哲也准教授が講演を行いました。
 今回のシンポジウムは、企業からの聴講者が多かったのが印象的であり、盛況のうちに終了しました。

  • 伊藤龍男教授伊藤龍男教授
  • 真田篤志教授真田篤志教授
  • 道下尚文准教授道下尚文准教授
  • 酒井道教授酒井道教授
  • 上田哲也准教授上田哲也准教授
  • 会場の様子会場の様子