平成29年度文部科学大臣表彰 科学技術賞研究部門を受賞しました

 平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、材料科学系 PEZZOTTI GIUSEPPE(ペッツォッティ ジュセッペ)教授が科学技術賞研究部門を受賞しました。本表彰は、文部科学省が、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的として行っているものです。

 PEZZOTTI教授の受賞業績は、「3次元微小応力測定の可視化およびプローブの分離解析の研究」です。電子部品から医薬品に至るまで、全ての製品の製造過程の中で、その製品を作る材料に非常に小さい歪みが発生します。この歪みは残留応力と呼ばれ、材料の劣化を早め、結果的にそれらの製品の寿命を早める事になります。さらに、製品の小型化に伴い、材料もマイクロサイズ化し、残留応力の大きさが平均化され、見逃されてきました。この残留応力を可視化する事が出来れば、材料の良し悪しを即座に判断し、ある基準以下の材料を除去することにより、製品の寿命を延ばすことが可能となります。PEZZOTTI教授は、この微小な歪みを可視化できる顕微鏡を世界で初めて開発しました。この開発により、これまで行われていた統計的な品質管理の枠を超え、非破壊で全ての素材の残留応力をチェックする事が可能となりました。この成果は、材料の応力測定技術として広く採用され、産業界でも多く使用され、製品全体の特性及び信頼性向上と耐用年数の長期化に寄与しています。
 
 平成29年4月19日(水)、文部科学省において表彰式が行われ、松野博一文部科学大臣から表彰状が授与されました。PEZZOTTI教授は、「応力と非科学量論の分析専用顕微鏡開発と小型化に努め、産業界の品質管理システムに改革をもたらしたい。」と今後の抱負を語りました。

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