第2回国際交流懇談会「食と器-食と器を楽しむために-」を開催しました

 国際交流懇談会は、京都工芸繊維大学スーパーグローバル大学創成支援事業のグローバルコモンズの活動の一環で、外国人研究者や留学生とともに、日本人学生に伝統文化を学ぶ機会を提供し、世界の文化と対照することで、日本文化への考え方・世界観を理解し、自らのアイデンティティとして日本文化の相対化・内面化を図る取組を行っています。

 第2回は、「土井善晴氏をお招きして『食と器』 食と器を楽しむために」と題して、平成29年7月15日(土)に本学3号館で行われました。学生、企業、一般市民等270名を超える参加者があり、会場は熱気に包まれました。人気料理研究家である土井善晴氏は、おいしいもの研究所の代表として、和食文化をどのように未来に伝え、心を繋なげるかを考え、活発に活動されています。当日は、基盤科学系 澤田美恵子教授の司会で本懇談会の趣旨説明後、古山学長による本学の活動と食との関わりの話に続き、土井善晴氏の講演が行われました。

 講演では、和食の絶滅が危惧されるなか、土井氏の豊富な海外経験から、和食の世界における特色が美しい映像とともに話され、料理の意味、先祖より受け継いできた和食とは何かなど、これまであたりまえにすましてきたことをもう一度考え、日本文化を相対化するために非常に有意義な機会となりました。

 「食事はすべてのはじまり、大切なことは、一日一日、自分自身の心の置き場、心地よい場所に帰ってくる暮らしのリズムをつくること」というメッセージが伝わり、温かな人柄がにじみ出る素晴らしい講演会となりました。参加者からは、よかったという声が多く聞かれ、また、「生活を大事にする。暮しを取り戻す。私の中に脈づく日本人の形、スタイル、国民性を改めて、いち母親として大事にしたいと思いました。」という声も聞かれました。参加された方が、日々の「食」を介して、伝統文化と世界文化との共通点を対照されていることから、今後はこの事業の社会貢献も期待されます。

  • 古山学長の挨拶古山学長の挨拶
  • 講演する土井氏講演する土井氏