KYOTO Design Lab
創設5周年記念講演会「京都に臨む」を開催しました

 2019年4月26日、創設5周年を迎えた京都工芸繊維大学 KYOTO Design Labは、同大学で教鞭をとったふたりの建築家の岸和郎氏と田原幸夫氏を招いた講演会を開催しました。

 東京駅丸の内駅舎など歴史的建造物と向き合い、その価値を引き受けながら新しい風を吹き込んできた田原氏は、京都における近代建築の状況を紹介する中で、「古いものと新しいものを曖昧に同化させることは、文化遺産としての町並みの価値を損ねることになる」と指摘しました。さらに、東京駅の復原を例に出しながら「当初の姿に戻すだけでなく、建物の歴史を尊重し、各時代の貢献を尊重することが大切である」と付け加えました。

 京都に拠点をおく岸氏は、1990年代後半から次第に「京都らしさ」に向き合うようになるまで、建築に対する考え方の移り変わりを解説しました。また、中国やバリ島などのアジア諸国にある歴史的な建造物に着想を得たプロジェクトや、日本の寺院のモチーフを中国において展開する「南泉禅寺再建プロジェクト」など、異国文化を入れ込む近年の手法を紹介しました。
歴史的に文化芸術の中心地である京都において、その理解を深めながら、現在と未来、世界と日本に向き合う両氏の試みに、参加した170名を超える学生たちは熱心に聴き入っていました。

  • 田原氏の講演田原氏の講演
  • 岸氏の講演岸氏の講演
  • 熱心に聴き入る学生たち熱心に聴き入る学生たち