尾関宗園氏に感謝状を贈呈しました

 3月5日(金)、本学非常勤講師である尾関宗園氏に、長年にわたり本学の教育にご尽力いただいたことに対し、感謝状を贈呈しました。
 尾関氏は、1993年度から28年間もの間、「生活文化史」(2014年度からは「京の生活文化史」に改称。工芸科学部人間教養科目。)を担当してこられました。88歳というご高齢に至るまで「若者に触れるのが生き甲斐、答案を読むのが何よりの楽しみ。」との強い信念で授業を続けてこられましたが、本年度をもって引退されることとなりました。28年間に受講した学生は合計1万9千人近くになり、毎学期平均約340人の学生が受講した計算になります。
 その授業内容は、お寺で行うような説法を、場所を変えて行うというようなことでは決してなく、自ら大学教育を受けられた経験を背景に、時事内容をも取り込みながら講義名に相応しい内容を常に工夫され続け、それでいて禅僧ならではの独特なパフォーマンスを取り入れられた、他の何人も真似のできない、きわめて内容豊かなものでした。本学広報誌KITnews(Vol.52)においても紹介しました(紹介記事はこちら)。
 贈呈後は、講義サポートを続けてこられた石田弘行氏、尾関氏が本学で教鞭をとられる縁を結んだ大橋良介本学名誉教授らを交え、これまでの授業内容等を振り返りつつ、「授業では学生が真剣だったので、自然と熱が入った話になった。近年は留学生も多く、率直な感想が刺激になった。今年はコロナ禍での授業となり残念ではあったが、学生1人1人からの感想が得られ、大教室で行う授業とはまた違った一面があった。」と語られ、学生との関わりを大切にされていることが改めて感じられました。

トビタテ!留学JAPAN奨学金で留学した学生による体験談の報告

前列右から尾関氏、石田氏、後列右から前田工芸科学部長、大橋名誉教授、秋富教授