本学学生が設計した「名勝 縮景園」内トイレ『木陰葺の東屋』が竣工しました

 「ひろしま建築学生チャレンジコンペ2019」で最優秀作品賞に選ばれた本学大学院建築学専攻の由利光さん、生田海斗さんが設計した「名勝 縮景園」内トイレ『木陰葺の東屋』が竣工しました。
 「ひろしま建築学生チャレンジコンペ」は、広島県が実施するもので、全国の建築学生を対象に、「魅力ある建築物の創造に向けた人材育成」の一環として行う全国唯一の公共建築物の設計コンペティションです。最優秀作品は実際の公共施設として事業化し、提案者が設計・監理に関わり実践現場を経験するという建築家の卵を応援する企画で、2018年度の日本建築学会教育賞を受賞した稀有な取り組みです。2019年の本コンペでは、「名勝 縮景園」の事務所棟東にある既存公衆トイレ(男性用・女性用トイレ及び多機能トイレ)の改築(建替)が対象でした。
 由利さんは提案設計やコンペを振り返り「半透明のガラス屋根に映る木陰を介して名勝である縮景園の豊かな自然を感じられるトイレを目指し設計しました。長い歴史の続く場所に馴染み、その場所の魅力を感じられる建築となることを目指しました。」と、生田さんは実際の設計や監理に携わり「これまでは設計課題やアイデアコンペといったアンビルドの設計が中心であったため、実際の現場でやり取りをし建築を考えていく機会は初めてでした。予算や工期等様々な実現性を織り合わせる中で、徐々に建築が純化されていくプロセスが印象的で、建築を考える姿勢が大きく変わる経験となりました。私達以上にプロの設計者や施工者、監理や職人の皆様にはご負担をおかけしましたが、完成したトイレはコンペ時のコンセプトがより鮮明となった建築となり、言葉では言い表せないような心地良さと達成感を味わうことができました。」と語っています。
 本トイレは、2021年3月20日より一般利用が可能です。また、本事業は広島県の広報ページに詳細が掲載されています。

  • 縮景園の豊かな自然の中に佇む新たなトイレ

    縮景園の豊かな自然の中に佇む新たなトイレ

  • 木陰が頭上で揺らぐ爽やかなトイレ内部

    木陰が頭上で揺らぐ爽やかなトイレ内部

  • 夜間は灯籠のように柔らかく灯る

    夜間は灯籠のように柔らかく灯る

  • コンペ時に提案したイメージパース

    コンペ時に提案したイメージパース

竣工式の様子(左上)と現場での打ち合わせ風景(右上・下)

竣工式の様子(左上)と現場での打ち合わせ風景(右上・下)