電気電子工学系 比村治彦教授らは、高速度カメラ、蛍光板付きマイクロチャンネルプレート、及び細い金属線を組み合わせたイオンクラウドの回転の鮮明な撮影に成功しました

 電気電子工学系 比村治彦教授、大学院生 中島雄太郎さん(工芸科学研究科博士後期課程電子システム工学専攻)らは、高速度カメラ、蛍光板付きマイクロチャンネルプレート、及び細い金属線を組み合わせることで、イオンクラウドの回転の鮮明な撮影に世界で初めて成功しました。測定した回転角から計算されるイオンクラウドの角速度は、イオンクラウドが剛体回転平衡状態にあるときの理論的な角速度の値に近い値であることが明らかになりました。

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本研究成果は、学術雑誌「AIP Advances」(外部サイト)の2022年4月号に掲載されました。

図:BX-U装置※1を用いた実験セットアップの模式図

用語解説
※1)BX-U装置
電気電子工学系プラズマ基礎工学研究室(比村治彦教授)が所有する実験装置の一つであり直線型となっている。電子ビームとLi+ビームのソース、円筒型電極、そして、ソレノイドコイル磁場を用いて、二流体プラズマ※2の生成や閉じ込め実験を行うことができる。

※2)二流体プラズマ
プラズマ中のイオン粒子群と電子群が互いに独立な流体として存在し、それぞれの流体方程式にしたがって運動している状態のプラズマを意味する。プラズマがこのような二流体状態にあるとの前提で理論構築されている電磁流体プラズマモデルのことを二流体プラズマモデルという。