COIヘルスサイエンスシンポジウム 寄り添う”こころのケア”を支えるデザイン工芸の展望

ポスター

医療福祉の現場で、寄り添う”こころのケア”がより発揮できるように、さりげなく、そして力強く支える物理的ケア環境を創造し、地域社会に溶け込む生活デザイン工芸技術の展望について、シンポジウムを開催します。

【プログラム】

開会挨拶:
京都工芸繊維大学 理事・副学長 森  肇
招待講演:
◆ 13:40~14:30
『認知症の人と創る未来社会』
京都府立医科大学 大学院医科学研究科精神機能病態学教授 成本 迅氏

《講演要旨》
多くの認知症の人が地域社会で暮らす時代が来ている。自律を守りながらも詐欺被害から守ったり、自分のお金を自分のために使えるように手助けすることはできるだろうか。本講演では、認知症専門医の立場から金融機関や工学系企業との産学連携に取り組むことで見えてきた課題と解決策について話したい。
特別講演:
◆ 14:30~15:10
『治す医療から治し支える医療へシフトする時代に向かって』
京都大学名誉教授 滋賀県立リハビリテーションセンター所長 野本愼一氏

《講演要旨》
医療技術の開発や新薬の画期的進歩による最新の治す医療を、日本国民は国民皆保険のもとその恩恵を等しく受けることができますが、長寿ならぬ長命大国日本にもなりかねない将来も垣間見えます。そこで治す医療から治し支える医療へと変化がおきてきている中で、忘れてはならない療養者の心を支える技術の一端をご紹介します。
 

◆ 15:10~15:50
『地域社会における聴力しょうがい者に対する 手話による就労・生活支援:新潟県の事例』
手話技能検定協会 理事長 神田和幸氏

《講演要旨》
新潟市のNPOにいまーるは聴覚障害者の就労支援と生活支援を聾者と聴者の指導員が協働で行う日本では珍しい形態である。就労内容はメール便配達や清掃事業を一般の就労者と遜色ない実態であり、工賃も他の障害者雇用よりも高い。福祉農業という障害者就労支援も始め、農地は高齢者の多い地区で耕作放棄地も多い地区で、地元の関心も高い。
 休憩:
  10分
研究事例紹介:
◆ 16:00~16:20
『寄り添うこころがつくる視覚障害者の安心歩行支援機器の開発とその社会実装』
京都工芸繊維大学情報工学・人間科学系教授 森本一成

《講演要旨》
視覚障害者のこころの声に応えるために開発した自発光式LED点字ブロックを紹介します。また、その開発に用いた手法を応用して制作した自発光式のポラードを紹介します。そして、これらの開発を通して得られた視覚障害者に寄り添うこころから生まれる新たな安心歩行空間の設計を提案します。また、社会実装による効果検証の進め方について報告します。
 

◆ 16:20~16:40
『後期高齢者の生活観察(エスノグラフィ)を用いたライフスタイルの研究』
京都工芸繊維大学デザイン・建築学系教授 久保雅義

《講演要旨》
エスノグラフィは、未知の生活様式を明らかにする手法であり、生活改善のように数量データのみでは難しいとされる場合有効とされています。本研究は、多様な生活価値観を持つ後期高齢者の生活を観察し、彼らの豊かな生活創造とは? を目的とした行動分析や傾向を探っています。
 

◆ 16:40~17:00
『こころのケアに寄り添う建築デザインの模索』
京都工芸繊維大学デザイン・建築学系准教授 阪田弘一

《講演要旨》
平凡に聞こえる住み慣れた家や地域で最後まで暮らし続けたいという望みも、現代社会では叶えることは難しい。介護の必要な方や治療困難な疾病を持つ方々にはハードルはさらに高い。だからこそ、その望みを叶えるような環境を生みだすことは、こころのケアという面で大きな役割を果たすことができるのではないか。本講演では、そうした課題に住空間デザインからアプローチする我々の取り組みの一端を紹介したい。
 

◆ 17:00~17:20
『コミュニティービークルの着座姿勢推定』
京都工芸繊維大学機械工学系教授 澤田祐一

 

◆ 17:20~17:40
『コミュニティービークルデザインの展望と可能性』
京都工芸繊維大学デザイン・建築学系准教授 西村雅信

《講演要旨》
ビークルは、新たな移動手段として開発され、その機能の向上、小型化やカスタマイズ性を高めてきました。多くのモノが多様化する現代に於いて、改めてビークルはその存在の価値を問い直される局面を迎えています。本講演では、この問題意識に対し、デザインの立場からの視点を提案します。
 

◆ 17:40~18:00
『高齢者のこころを支援する映像情報メディア技術』
京都工芸繊維大学総合教育センター教授 桑原教彰(福島県楢葉町よりスカイプで報告)

《講演要旨》
介護スタッフの負担を軽減し、かつ施設入居の高齢者のQOLを向上させるために開発された、映像コンテンツとロボットを活用した介護レクリエーションの実証評価の結果について報告する。
閉会挨拶:
◆ 18:00~18:05
京都工芸繊維大学 副学長
COIヘルスサイエンス拠点長 森本一成
日 時
2016年8月22日(月)13:30~18:05
場 所
京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパス 60周年記念館2F 大セミナー室
[ MAP ]
参加方法
聴講無料、事前登録不要
問合せ先
COIヘルスサイエンス拠点 酒井 潤
TEL:075-724-7482
E-mail:coi[at]kit.jp(※[at]を@に変換してください)
主 催
京都工芸繊維大学 COIヘルスサイエンス拠点