所属 | 総務企画課 |
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氏名 | 谷 貴之 |
期間 | 平成30年12月9日~平成30年12月22日 |
派遣先 | QQ English ITパーク校(フィリピン共和国) |
本研修の目的は、英語力の向上、異文化理解の促進のために、フィリピン・セブ島にある語学学校に2週間滞在し、TOEIC対策特別カリキュラムを受講するとともに、各国から参加する受講者と対話することで、英語でのコミュニケーション能力向上を狙うものです。
今回の研修先であるQQ English ITパーク校は、フィリピン・セブ島のITパークにキャンパスを構え、最大生徒収容定員数300人を誇る大規模な語学学校です。ITパークというエリアは、セブ島の中でも外資系企業やIT企業が集まる経済特区の中心に位置し、高層ビルが立ち並ぶ先進的な場所です。レストランやカフェ等の飲食店も数多くあり、仕事や学校の帰りに気軽に立ち寄ることができます。このように比較的恵まれた環境の中で、2週間の語学研修を受けてきました。
まず初日には、現在の英語能力を図るレベルチェックテストを受けます。テストはListening、Reading、Writing、Speakingの4つのセクションに分かれています。Listening、ReadingはTOEICと同様の問題で、Writingは写真を見てその状況を自由に英語で記述するというものです。Speakingは、先生とskypeで通話し、先生から出されるお題について英語で説明します。(例)「Who is your favorite celebrity? And why?」(あなたの好きな有名人は誰ですか?それはなぜですか?)。レベルチェックテストが終わると、オリエンテーションがあります。学校での生活やセブ島の情報など、様々な事項について説明を受けます。午後からは、新しく入学した生徒向けの授業を受けます。明日からの通常授業の練習のような授業です。授業後、新入生のウェルカムパーティーが開催されます。ミニゲームや軽食が用意され、QQ Englishの先生方から熱烈な歓迎を受けます。
2日目以降は通常授業が始まります。初日に受けたレベルチェックテストに基づいて授業レベルが設定され、スケジュールが組まれます。1コマ50分の授業が午前4コマ、午後4コマの計8コマありました。授業は基本的にマンツーマンで行われますが、少人数のグループレッスンもあります。 具体的な授業内容を紹介します。まずはCallanです。これはイギリスで生まれたCallanメソッドという手法を用いるもので、徹底的に反復するよう設計された特訓法の英語学習法です。先生からの質問、生徒の瞬時の回答、その回答を先生が助けるという流れが繰り返されます。「(写真を見せながら)What’s this? What’s this?」(質問は基本的に2回繰り返されます)「It’s a pencil」という初歩的なものから始まり、少しずつ質問が難しくなっていきます。この反復により、英会話に必要な反射神経が鍛えられ、素早く考え正確に表現する力が身につきます。
続いてTOEICのListening、Readingです。これらは文字通り、TOEICのListeningとReadingの問題を実際に解く授業です。制限時間内に問題を解いた後、先生が解説をしてくれます。TOEICの問題を解くコツを丁寧に教えてもらい、毎日実践することで、段々と素早く正確に回答する力が身についていきます。 次はTOEIC Vocabです。これはTOEICに関わる語彙を増やすための授業で、毎回15種類の単語を学びます。英英辞典のように、ある単語の説明があり、その説明に当てはまる単語を15種類の中から選びます。自分の知らない単語の場合は意味を予想する必要があるので、推測する力が養われます。15種類の単語の意味を理解した後、その単語を使って文章を作成します。英作文は自分の苦手な分野だったので、とても良い練習になりました。
次はSpeakingです。毎回テーマが決められ、5つのキーワードを学びます。その後テーマについて先生から質問され、それに答えます。ある日のテーマはMusic(音楽)でした。5つのキーワードrap、rock、classical、pop、jazzを学んだ後、様々な質問を受けます。「どのジャンルの音楽が好きですか?」、「好きな歌手は誰ですか?」「rockとpopの違いを説明してください」などです。質問は答えるのみでなく、もちろんその理由も説明します。これが大変難しく、日本語で言いたいことを英語に変換できないもどかしさを常に感じました。また3つ目の質問のような、そもそも日本語で説明するのが難しいことを英語で表現することに苦労しました。言葉に詰まりながら、先生に助けを求めつつ、なんとか少しでも説明できるよう努めました。多少間違っていてもとにかく英語で話すという度胸が多少身についたように思います。
最後にグループレッスンです。少人数のレッスンで、話すことに重点を置いた授業が展開されます。私のクラスは3人のグループで、3人とも国籍がバラバラで英語も皆流暢というわけではなかったので、お互いに助け合いながら授業を受けました。たまたま3人とも年齢が同じで、気さくに話し合うことができました。アメリカ英語とイギリス英語の違いや、shouldとought toとhad betterの違いなど、毎回興味深い内容で大変楽しい授業でした。Riddle(なぞなぞ)を学ぶ回もありました。(例)「What gets broken without being held?」(掴まなくても壊れてしまうものは何でしょう)。答えはpromise(約束)です。問題の意味をそのまま考えるのではなく、柔軟に考える力が必要となります。答えを推測するのが大変難しかったですが、なぞなぞに触れたのは初めてで、とても新鮮で非常に有意義なレッスンでした。
以上のような授業を2週間受けました。序盤はついていくので精一杯でしたが、慣れてくると先生との雑談を楽しめるような余裕も出てきました。2週目には成果を図るプログレステストを受けます。Writing、Speakingはまだまだ改善の余地がありましたが、Listening、Readingのスコアが上がっていて、勉強の成果が出ていることを実感しました。
授業を担当してくださった先生方は皆優しく、ユーモアたっぷりで、大いに楽しんで勉強することができました。私が受講したのはTOEIC対策カリキュラムだったのでTOEICにまつわる授業がメインでしたが、基礎的な英会話も学ぶことができ、良い機会となりました。自習室が完備されていて、授業以外でも勉強できる場所があるので、予習・復習の際にとても役立ちました。日本人スタッフの方が常駐していて、授業や生活等様々な面で相談することができ、いつも親切に対応してくださいました。全体を通して、楽しみながらしっかり学ぶことができる大変良い環境であると感じました。
まず、TOEICのスコアを上げるという点では大いに役立ったと感じます。現地では、TOEICを解くコツ、新しい語彙、知らない単語を推測する力等、参考書だけでは得られないような様々なことを学びました。帰国してからも継続して英語を勉強し、現地で学んだことを存分に活用しつつ、次のTOEICに臨みたいです。
そして、学内での英語対応に少しでも貢献できればと思います。正直なところ、まだ流暢に話せるわけではありませんが、英語を聞く耳と、多少間違っていても勇気を持って話す度胸が得られたと感じます。学内には留学生を含め、たくさんの外国の方がいて、どの部署にいても彼らと接する機会があります。困っている人がいたら、「May I help you?」と気軽に声をかけられるようにしたいと思います。
最後に、本研修で大変お世話になったQQ Englishのスタッフの方々、先生方にお礼申し上げます。何か困った際はスタッフの方々が親切に対応してくださり、大変心強く感じました。先生方は明るく気さくな方ばかりで、毎日の授業が楽しみでした。楽しく勉強させていただき、ありがとうございました。また、本研修をコーディネートし、諸々の調整をしていただいた国際課や人事労務課の方々、2週間という長期研修にも関わらず送り出していただいた総務企画課の方々にもお礼申し上げます。関係各位のご尽力により、大変貴重な経験をさせていただくことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。本研修で得られたことを少しでも大学運営に活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。