今回のシンポジウムでは、博覧会の展覧会をどのように楽しんだらよいかということを話題にしてみたいと思います。
19世紀半ばから世界各地で開催された万国博覧会は、そもそもどのような目的で開催されて、どのようなものがどのように展示されたのか。そして、人びとはそこで何を学び、楽しんだのか。また、万国博覧会を追いかけるように日本国内で開催されたさまざまな博覧会は、どのような意図のもとに開催されて、近代の日本人に何を伝えたのか。これまでの博覧会史を振り返りながら、博覧会に心を躍らせた人びとの思いを追体験します。
そして、もうひとつのポイントは、国内外の博覧会とこの京都工芸繊維大学(といってもその前身校の京都高等工芸学校ですが)がどのようにかかわってきたのかという点です。博覧会で審査をしたり、博覧会を告知するポスター制作にかかわったり、さらに、学校から博覧会に出品したりというように、いろいろなかたちで博覧会に参加をしてきた歴史が本学にはあります。そのことを紹介することもまた、博覧会を楽しむことにつながると思います。
こんな観点からシンポジウムをお楽しみいただければ幸いです。