炎症反応は生体防御にきわめて重要です。しかし、その慢性化は自己免疫疾患やがんなどの原因にもなります。片岡孝夫教授の研究室では、炎症反応を強力に惹起する「炎症性サイトカイン」に注目し、その情報伝達や遺伝子発現の分子メカニズムの解明に取り組んでいます。片岡教授らの研究戦略の一つは、新規な生物活性をもつ「小分子化合物」を探索し、複雑な生命現象の仕組みを解き明かすバイオプローブとして活用し、その作用メカニズムを明らかにすることです。
本セミナーでは、炎症反応だけでなく、低酸素応答、プログラム細胞死、細胞性免疫などに関する最近の研究の取り組みと今後の展望を紹介します。
【演 者】
片岡 孝夫
京都工芸繊維大学大学院・工芸科学研究科
応用生物学系・生体分子機能学研究分野・教授