本学は、大学の理念(平成16年制定)の中で、人間と自然の調和を目指すこと、および豊かな人間性と高い倫理性に基づく技術の創造を目指すことを掲げ、環境と調和する科学技術に習熟した国際性豊かな人材を育成する、としています。
今日のグローバル社会の抱える大きな課題を解決するためには、現在本学に在学し、産業社会に出て行く学生に対する教育だけでは充分でなく、未来を担う人材、特に中等教育課程にある生徒に、環境と調和する科学技術を敷衍させることのできる「技術を理解している」人材を輩出し、本学の理念を広めていくことも、極めて重要な役割であると認識しています。
このため、理科・工業などの教員養成において、本学のビジョンである「人間をとりまく事物や事象を包括的・全体論的に捉え、人間に心身の活力と充足感をもたらし、かつ持続可能な文化社会を築くことのできるテクノロジーの創出」を目的とした教育の成果を、次世代に伝えうる教育者の育成を目指します。
上記の基本的な考えを実現するために、本学では、化学・生物系の課程においては「理科」(中学・高校)を、工学を中心とする課程においては「数学」(中学・高校)、「情報」(高校)の教職課程を設け、教科に関する専門的な学力の涵養と教育に対する深い理解を養うこと、並びに教育者としての情熱と使命感および教育技術を培うことを課程設置の趣旨としています。
このため、教育学と理科教育の専任教員を配置し、さらに数学、情報の教育法についても専任教員による指導体制を整え、いずれも授業実践や模擬授業を多く取り入れた、実践的な内容を重視して教職課程を展開しています。
本学では、教員組織と教育組織が分離されているため、教員養成組織・担当教員については、以下をご覧ください。(シラバスと研究者総覧はリンクしています。)
「学士力」の進捗管理
「学士力」とは、文部科学省の諮問機関である中央教育審議会が提言した日本の大学において卒業までに学部学生が最低限身に付けるべき能力のことです。本学では、「知識・理解」、「汎用的技能(コミュニケーションスキル,数量的スキル,問題解決能力等)」、「態度・志向性(自己管理力,チームワーク,倫理観,社会的責任等)」、「総合的な学習経験と創造的思考力」の4分野13項目の「学士力」に、本学独自の項目を加えた14項目に対して、どれほど向上したかを測定するアンケートを、学部在学生を対象に年2回実施しています。
この調査により、学生自身が、自ら修得すべき基礎的な能力、汎用的な能力、そして本学のディプロマポリシーに記載された能力に対してどれだけ力をつけたか、入学時からの学士力の推移を視覚的に省みる機会を定期的に与え、各教育プログラム等の分野別特性などを可視化することができます。これらの経年推移を分析・調査することによって、本学の教育プログラムの効果を検証し、教育内容・方法の改善に役立てています。
また、学部卒業生、大学院修了生を対象として、本学での修学や研究、課外活動等が自身の能力の形成にどのような影響を与えたか、学士力向上や本学の教育に関する調査を行い、卒業生等の体験に基づいた意見を参考にすることにより、教育内容の充実を図っています。
「環境マインド」を持った学生の育成
本学では、地球環境や地域環境の保全や改善のための教育・研究を推進し、あらゆる活動において環境との調和と環境負荷の低減に努める等、積極的に環境活動に取り組んでいます。
本学独自の環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、2003年に当時全国の理工系大学としては初めて全学でISO14001を取得しました。その後も継続して大学の環境マネジメントに取り組み、2015年第6回エコ大学ランキングでは、「廃棄物・資源循環」、「環境人材育成・研究」、「環境マネジメント・USR」の3つの部門及び総合部門で最高評価を獲得しています。学生を含めた全構成員によりEMSを運用し、研究活動はもとより日常生活においても常に環境問題に配慮しながら行動する「環境マインド」をもった人材を育成しています。
グローバル人材の育成
本学は、文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択され、国際化を牽引する大学として、人材育成、カリキュラム改革、国際交流拠点の形成等の事業を推し進めています。国際化を推進するための要件となる英語力の強化のため、TOEIC受験の促進や、「英語鍛え上げプログラム」を実施しています。また、学生の情報発信力を高めるべく、CBT(Computer Based Test)方式のスピーキングテストを大学独自で開発し実施しています。こうして積み重ねた英語力を生かし、大学院においては、海外インターンシップへの積極的派遣を行うなど、世界や地域から人材や事業を呼び込む開かれた環境整備を行い、国際的に活躍できる人材の育成を目指しています。
年度
種別
|
2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一種 | 中学校 | 数学 | 9 | 8 | 5 | 3 | 3 | 1 | 1 | 1 | 5 | 4 |
理科 | 20 | 2 | 14 | 11 | 8 | 9 | 2 | 4 | 4 | 2 | ||
高等学校 | 数学 | 10 | 9 | 6 | 6 | 5 | 4 | 3 | 3 | 5 | 9 | |
理科 | 35 | 8 | 25 | 26 | 17 | 18 | 11 | 14 | 8 | 13 | ||
情報 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | ||
工業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
専修 | 中学校 | 数学 | 2 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
理科 | 6 | 3 | 5 | 2 | 7 | 7 | 5 | 4 | 1 | 1 | ||
高等学校 | 数学 | 2 | 2 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | |
理科 | 10 | 6 | 9 | 4 | 11 | 10 | 5 | 8 | 9 | 6 | ||
工業 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
計 | 97 | 40 | 64 | 53 | 55 | 53 | 28 | 34 | 34 | 38 |
卒業・修了年度
区分
|
2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
学部 | 2 | 5 | 2 | 4 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 1 |
大学院 | 5 | 5 | 2 | 1 | 2 | 1 | 0 | 3 | 0 | 2 |