電気電子工学系 粟辻安浩教授らの研究グループは、超音波が伝搬する様子の動画像観察と音源の3次元定位を同時に実現する技術の実証に世界で初めて成功しました

 本学電気電子工学系 粟辻安浩教授、大学院生 高瀬裕基さん(工芸科学研究科博士前期課程電子システム工学専攻)、井上智好さん(工芸科学研究科博士後期課程電子システム工学専攻)、神戸大学先端融合研究環 的場修教授、産業技術総合研究所計量標準総合センター 夏鵬主任研究員らの研究グループは、人間の耳に聞こえない、超音波*1が伝搬する様子を動画像観察するのと同時に、音を発するスピーカの位置を3次元的に特定することに世界で初めて成功しました。3次元画像技術であるディジタルホログラフィ*2を応用した高速イメージング技術を用いて、スピーカの位置を求め、そこから発される音の疎密波が伝搬する様子を高速に動画像記録しました。

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※本研究結果は米国光学会(The Optical Society)が出版する科学誌『Applied Optics』(外部サイト)に掲載されました。

(用語解説)
*1:超音波
 人間の耳が聞き取れない周波数範囲の音です。人間の耳が聞き取れる音の周波数範囲は凡そ20 Hz~20,000 Hzで,これらの音は可聴音と呼ばれます。これに対し,20,000 Hz以上の周波数の高い音が超音波と呼ばれます。

*2:ディジタルホログラフィ
 光の干渉と回折を利用して,物体からやってくる光のすべての情報を記録・再生できる3次元画像技術です。私たちが物体を見るときに認識している,物体を透過または物体で反射した光である物体光と,基準となる光(参照光)を干渉させて,干渉した光の明るさ分布をCCDやCMOSイメージセンサなどのカメラを用いて干渉縞画像としてディジタル的に記録します。記録された干渉縞画像がホログラムです。記録したホログラムに対してコンピュータで画像処理することで奥行きの情報も含めた,物体の3次元情報を復元できます。さらに,干渉縞画像がディジタル的に得られることより,周波数の解析など,結果を定量的に評価できるので3次元画像計測にも応用できます。