電気電子工学系 粟辻安浩教授らの研究グループは、約10兆分の1秒の世界をスローモーションで観察できる超高速動画像の撮影時間の倍増に世界で初めて成功しました

本学電気電子工学系 粟辻安浩教授、大学院生 澤島雄祐さん(工芸科学研究科博士前期課程電子システム工学専攻)らの研究グループは、約10兆分の1秒の世界をスローモーションで観察できる超高速動画像の撮影時間を倍増することに世界で初めて成功しました。3次元画像技術であるディジタルホログラフィー*1と超短パルスレーザー*2を応用した超高速イメージング技術を用いて、従来システムでは不可能であった複数枚のディジタルホログラムを1台の撮像素子で記録するための新たな光学システムを開発し、超短光パルスが伝播する様子の、より長時間の動画像記録・観察を達成しました。

本件の詳しい内容はこちら(PDF)

※本研究結果は米国電気電子学会IEEEが出版する学術雑誌『IEEE Journal of Quantum Electronics』(外部サイト)に掲載されました。

(用語解説)
*1:ディジタルホログラフィー
 光の干渉と回折を利用して、物体からやってくる光のすべての情報を記録・再生できる3次元画像技術です。私たちが物体を見るときに認識している、物体を透過または物体で反射した光を物体光と呼びます。物体光と基準となる光(参照光)を干渉させ、干渉した光の明るさ分布をCCDやCMOSイメージセンサーなどの撮像素子に干渉縞画像として記録します。この記録した電子データである干渉縞画像がディジタルホログラムです。このディジタルホログラムに対してコンピューターで数値計算を行い、物体の3次元像を再生します。計算機内に物体の再生像の数値データを有するので、定量的評価ができます。

*2:超短パルスレーザー
 発光時間の極めて短い光を放つレーザーです。10兆分の1秒程度以下の時間だけ光を放つことができるフェムト秒パルスレーザーなどがあり、超高速現象の発生、計測用光源や材料の微細加工に用いられます。フェムトは1000兆分の1を表します。