電気電子工学系 粟辻安浩教授、工芸科学研究科博士後期課程電子システム工学専攻 井上智好さんらの研究グループは、ピコ秒注1)といった極めて短い時間間隔で発生する複数の光が伝播する様子を、一度の露光でスローモーション動画像として記録する技術の開発に世界で初めて成功しました。
3次元画像技術であるホログラフィー注2)を応用した超高速イメージング技術に、開発した光学システムと2つの動画を空間的に分割して記録する手法を導入することで1.78 ピコ秒の時間間隔で発生した2つの超短パルス光が伝播する様子の記録・観察に成功しました。
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本研究成果は2022年7月7日に、米国光学会 OPTICA Publishing Groupの「Optics Letters」(外部サイト)に掲載されました。
(用語解説)
注1)ナノ秒、ピコ秒
1ナノ秒は10億分の1秒、1ピコ秒は1兆分の1秒です。
注2)ホログラフィー
光の干渉と回折を利用して、物体からやってくる光のすべての情報を記録・再生できる3次元画像技術です。私たちが物体を見るときに認識している、物体を透過または物体で反射した光を物体光と呼びます。物体光と基準となる光(参照光)を干渉させ、干渉した光の明るさ分布を高解像写真乾板に干渉縞画像として記録します。干渉縞画像を記録した高解像度写真乾板がホログラムです。記録に用いた参照光と同じ光をホログラムに照射すると物体光が再生され、奥行きの情報を含む物体の3次元像を観察できます。