令和4年11月15日(火)、繊維科学センターは「未来環境を考える講演会-循環型社会システムの研究と持続的社会の形成について-」を開催しました。本講演会は、センターの活動を広く社会に発信する目的で例年開催しているもので、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮し、昨年に引き続き今年もオンラインで実施しました。
冒頭では森迫清貴学長が挨拶を行い、続けて招待講演、学術講演、そして本学教員による研究紹介を行いました。招待講演では、(公財)京都高度技術研究所副所長・理事/京都大学名誉教授の酒井伸一氏、(一社)廃棄物資源循環学会前会長/東北大学大学院環境科学研究科教授の吉岡敏明氏にご講演いただきました。また、学術講演では、本学未来デザイン・工学機構副機構長 水野大二郎教授が講演しました。
酒井氏の講演では、廃棄繊維素材に関する欧州の戦略、3Rプラス原則(Reduce, Reuse, Recycle, Renewable, Recovery)、そしてデジタルプロダクトパスポート(DPP)という製品の製造元・材料・環境負荷情報等を含む証明書についての説明が行われ、未来の環境問題への方向性が示唆される内容となりました。
また吉岡氏の講演では、海洋流出を抑制する新しいプラスチック資源の循環として、動脈・静脈の融合にバイオマス素材を組み込んだプラスチック資源の循環が提案されました。輸送することを考慮すると廃棄物のリサイクルは「地域に根差した循環社会」を実現する上で大きなキーワードとなる、という提言には多くの参加者が共感していました。
当日は繊維関係の企業を中心に学内外から158名が参加し、盛況のうちに幕を閉じました。
森迫学長による開会挨拶
酒井伸一氏のご講演
吉岡敏明氏のご講演
水野大二郎教授の講演