繊維学系 田中知成准教授らが発表した論文が、国際論文誌「Bulletin of the Chemical Society of Japan」のインサイドカバーに採用されました

インサイドカバー(Bulletin of the Chemical Society of Japan誌 96巻7号)

 繊維学系 田中知成准教授らが発表した論文が、日本化学会が発行する欧文誌「Bulletin of the Chemical Society of Japan」Volume 96, Issue 7のSelected Paper(優秀論文)に選出され、掲載号のインサイドカバーに採用されました。
 本グループは、高分子の側鎖にさまざまな種類の有用な官能基を有する機能性高分子の合成法を開発しています。機能性高分子の合成において、活性エステル基とアミノ基の間でのアミド化反応や、アジド基とアルキンの間でのアジド‐アルキン環化付加反応(クリック反応)は、非常に有効な反応として幅広く利用されています。本研究では、側鎖にプロパルギルエステル基を有する新規な高分子を合成し、側鎖のパルギルエステル基がアミド化反応とクリック反応の両方に利用できること、すなわち、二刀流の反応が可能であることを報告しました。さらに、アミド化反応とクリック反応の2つの反応をひとつのフラスコ内で連続して行うワンポット反応へと応用しました(図1)。また、プロパルギル基のアミド化反応が高分子の側鎖同士の影響によって加速されることを明らかにしました。インサイドカバーでは、二刀流の反応が可能なプロパルギルエステル担持高分子を、アメリカのメジャーリーグで活躍するロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手に重ね合わせました。

本研究成果は、国際論文誌「Bulletin of the Chemical Society of Japan」Volume 96, Issue 7, pp. 624-630(外部サイト)に掲載されました。

図1 論文のグラフィックアブストラクト
(Bulletin of the Chemical Society of Japan, 2023, 96(7), 624)