平成29年度海外教育連携教員派遣報告
梅原 大祐 教授 (ニューサウスウェールズ大学)

所属 情報工学・人間科学系
氏名 梅原 大祐 教授
期間 平成29年4月25日- 平成30年3月31日
滞在先 ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)

現在,私は オーストラリア シドニーにある University of New South Wales (UNSW) に滞在しています.受け入れ先の教員は,Jinhong Yuan 教授(School of Electrical Engineering and Telecommunications (EET))です.Yuan 教授のグループは,中国出身の留学生がほとんどで,複数名のポストドクターと博士後期課程の学生が含まれます.英語が母国語でない留学生で構成されているため,グループミーティング内で Yuan 教授が英語力を向上させるための指導 をしていたことは印象的でした.具体的には,積極的に自身の Tutor と会話するなどの英語のアウトプットが重要である(もちろん,アウトプットするための日々の英会話のプラクティスは必要かと思います)と説明していました.ポストドクターからは,祝日のキリスト教会の行事に参加することが意見として出されていました.話を聞いたときは理解できていませんでしたが,クリスマス・キャロルの行事に参加(クリスチャンではありませんが)したときに,宣教師が聖書を読み上げるのを聞いて,リーディングとリスニングの訓練になるように思いました.また,博士後期課程に進学するのが一般的で,学生は博士号を取得した後のキャリアプランを考えています.そのため,ポストドクターは自身の研究推進とグループの学生の研究指導においてほぼ独立しています.現在,Yuan教授はサバティカルでほとんど不在であるのにもかかわらず,ポストドクターを中心にグループが機能していて教育と研究が推進されていく様子が見ることができました.今後は,博士号を有効に働かせていくためのキャリアプランについて自ら目を向け,研究室の学生に博士号取得の有効性を提示して博士後期課程に進学することを考えてもらえるような研究室の運営を心掛けたいと思います.

Yuan 教授のグループミーティングに参加して自身の対象分野についてプレゼンしています(写真1).このグループミーティングでのスタッフ及び学生たちとの議論を通じて,プレゼンした内容を改善して Yuan 教授との共著論文として国際会議に投稿しています.これらの共著論文を通じて,双方の研究室の学生間での国際交流に発展させていきたいと考えています.UNSW 内の Electrical Building が改修中で,2018年後半に改修工事が完了します.改修中のビルの周りには,School of EET の特長が記載されたシートが設置されていて,訪問者に対して School of EET をアピールしているのが印象的でした(写真2).また,UNSWには,昇進もしくは着任した教授が,自身の研究の取り組みについて講演する Professorial Inaugural Lectures という企画があります(写真3).11月1日には,School of EET の Vijay Sivaraman 教授による,インターネット技術を通じて学術研究とものづくりを結びつけていくという内容が興味深く参考になりました.


写真1.グループミーティングでの発表

写真1.グループミーティングでの発表


写真2.Electrical Building の完成後の特長

写真2.Electrical Building の完成後の特長


写真3.Professorial Inaugural Lectures

写真3.Professorial Inaugural Lectures