第8回 (地独)京都市産業技術研究所と京都工芸繊維大学繊維科学センターの研究交流会

(地独)京都市産業技術研究所と京都工芸繊維大学繊維科学センターは,(地独)京都市産業技術研究所と国立大学法人京都工芸繊維大学との研究等連携に関する覚書(平成27年4月1日締結)第2条に基づく技術交流及び研究交流にもとづいて,研究連携を推進するための研究者交流を実施しています。今回,(地独)京都市産業技術研究所の製織システムチームの製織技術と物性評価技術及び画像処理,ヒューマンインタフェースなどのコンピュータ応用技術,および京都工芸繊維大学繊維科学センターの繊維技術分野の研究者より数件の研究発表会を企画致しましたので,多数の方々のご参加をお待ちします.

【日時】
平成29年2月3日(金) 14:00-17:15
【会場】
京都工芸繊維大学 松ヶ崎キャンパス 14号館2階S216 バイオベースマテリアル学専攻会議室 [ MAP ]
【参加方法】
事前申込不要、参加費無料
【内容】
14:00-14:10
挨拶
京都工芸繊維大学 繊維科学センター長 浦川 宏
14:10-14:50
「視覚による訴求効果を高めた織物柄表現の開発と画像評価法の検討」
(地独)京都市産業技術研究所 製織システムチーム 次席研究員 本田元志

テキスタイルにおける意匠表現の幅を広げるために様々な織物の開発に取り組んでいる。これまでの製品化事例とともに,情報量を削減したデザイン画像の評価法の検討について紹介する。
15:00-15:30
「画像相関法を用いた触覚センシング手法の提案」
(地独)京都市産業技術研究所 製織システムチーム 主席研究員 廣澤 覚

人間の皮膚を想定した透明弾性体を対象物と接触させ,透明弾性体の接触表面を裏側からカメラで連続撮影し,その画像の変化を画像相関法により変位分布として数値化する触感センサーを考案し,そのシステムを試作したので紹介する。
15:40-16:10
「高島ちぢみの用途展開:下着からアウターへ」
京都工芸繊維大学 繊維学系 教授 鋤柄佐千子

日本の伝統織物には、機能性と美しさを供えた材料が多くある。しかしその特性が消費者には、わかりにくく価格も高い。綿織り物の高島ちぢみについて、編み布のような伸縮性とエンボス加工を施した布の美しさによって、下着から婦人物にも使用されている布について、機能性、耐久性について紹介する。
16:20-16:40
「衣服画像に対する色彩認識の差異」
京都工芸繊維大学 情報工学・人間科学系 講師 北口紗織

近年の画像化や色再現の技術の進歩により、デジタルカメラやコンピューターのディスプレイなど、異なるデバイス間での高度なカラーマネージメントが行えるようにはなってきている。しかし、画像はデバイスに依存するのみではなく、見る環境、さらには見る側がどのように認識しているのかが問題になる。そこで、衣服画像が立体的に提示されている画像において、私たちが、どこに注目し、どのように色を認識するのか、被験者による認識の差異について紹介します。
16:50-17:10
「色彩から受ける印象の数量化とその応用」
京都工芸繊維大学 繊維学系 教授 佐藤哲也

人間は色彩からいろいろな印象を受けます。そして、その印象の程度は、官能評価実験を通して知ることができます。一方で、色彩は光の物理特性として、客観的に測定できます。今回の交流会では、この官能評価実験による結果と測定値との関係から、印象を数量化する試みと、その応用について紹介します。