植物は植食性昆虫などから被害を受けると、揮発性物質(匂い)を放出します。この匂いは、被害を与えている昆虫の天敵を誘引することが知られています。また、この匂い健全植物が受容すると、あたかも食害を受けたかのように誘導防衛を開始します。この現象は「植物間コミュニケーション」と呼ばれ、40種以上の植物で報告があります。本講演では、演者の行ってきた植物間コミュニケーションの野外研究を中心に、植物の血縁認識、被食圧とコミュニケーション、また、この現象を農業に展開した研究を紹介します。
演者の略歴等は案内PDFをご覧ください。
【演 者】
塩尻 かおり
龍谷大学農学部 植物生命科学科 准教授