生命維持のために外界から栄養素を吸収するという生命原則の根幹となる腸管は、内在する神経系、免疫系及び内分泌系が高度に発達し、全身性制御システムと密接に相関しつつ、独自かつ自律的に機能している器官です。これらの腸管独自の制御システムは、相互に密接に連関した「腸管イントラネット」を形成し、腸内細菌叢とも密接に関連して腸管および全身の恒常性の維持に寄与していると考えられています。
生体と外界とのインターフェイスである腸管粘膜には生体防御の最前線としての粘膜免疫系があり、全末梢リンパ球の約70%が集積しています。また、第3の自律神経系である腸管神経系には脊髄に匹敵する神経細胞があり、腸管粘膜で密な神経線維網を構築しています。従って、腸管の免疫系と神経系が双方向性にクロストークをしながら其々の機能を発揮していると考えらえていますが、その生理学的および病態生理学的意義に関しては未だその詳細はよく分かっていません。
本セミナーでは分かり易く概説いたします。
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【演 者】
門脇 真 博士
富山大学和漢医薬学総合研究所
病態制御研究部門消化管生理学分野・教授