令和元年度海外教育連携教員派遣報告
髙﨑 緑 准教授 (コーネル大学)

所属 材料化学系
氏名 髙﨑 緑 准教授
期間 令和元年8月29日-令和元年11月12日
滞在先 コーネル大学

今年2019年8月末から、USAニューヨーク州イサカにあるコーネル大学Cornell University, College of Human Ecology, The Textiles Nanotechnology Laboratory (Professor Juan Hinestroza Laboratry)に滞在しています。

コーネル大学は、1865年にニューヨーク州の上院議員であったエズラ・コーネルと、初代学長となるニューヨーク州の上院議員でミシガン大学の元教授であったアンドリュー・ディクソン・ホワイトによって創設されました。コーネル大学は私立大学であり、アイビー・リーグとよばれるアメリカ東部の私立大学8大学の連盟校であると同時に、ニューヨーク州の連邦政府の土地貸与助成機関であり、ニューヨーク州立大学としての要素ももつユニークな大学です。
 2018年秋の統計によると、学部生15,182名にのぼり、女性53%、男性47%と、最近は女性の比率が増加しているようです。また、2017年から2018年の学位授与数は、学士号 3,675名、修士号 2,759名、PhD・JSD・DMA 540名に達しています。


McGraw Tower(キャンパス内)

McGraw Tower(キャンパス内)


キャンパス内の滝

キャンパス内の滝

住まいは、キャンパスの中心からキャンパス内にあるゴルフコースを通過した約3 km先の北部に位置し、Tompkins Consolidated Area Transit (TCAT) バスを利用して通学しています。コーネル大学の教職員・学生は、乗車時にコーネルカード(教職員・学生証)をSuicaのようにタッチすることで、基本的にフリーで乗車できます。同様に、キャンパス棟内の研究室・実験室のドアにコーネルカードをタッチすれば、いつでも出入りできるシステムであり、教員が管理することはありません。
 広大なキャンパス内には、多数のレストラン(学食)やカフェがあります。Meal choiceというサービスがあり、事前にURLにアクセスし、クレジットカードで支払えば、コーネルカードにチャージされます。学食やカフェでは朝昼晩に食事をとることができ、Meal choiceを適用すれば割引され、ランチは通常7.5USD(ビュッフェ形式の食べ放題)となります。また、Coffee Club Hoursというサービスにより、学期毎10USDを支払うことで、平日7:00-10:30、14:00-15:00の時間帯は、コーヒーやお茶が飲み放題となり大変便利です。


ランチ(学食)

ランチ(学食)


イサカダウンタウンでのApple Harvest Festivalの様子1


イサカダウンタウンでのApple Harvest Festivalの様子2

イサカダウンタウンでのApple Harvest Festivalの様子

講義に関して、Prof. Hinestroza先生が担当する「Textiles, Apparel, and Innovation」を聴講するとともに、ディスカッションなどに参加し、意見交換を実施しました。主に学部生を対象とする秋学期の講義であり、講義時間は60分となります。パワーポイントで説明すると同時に、You tubeなどの動画を適宜活用しながら、履修者の理解を深めるスタイルをとっていました。さらに、最後の15分程度の時間にGroup activityがあり、その日の講義の主題に関連するテーマを設定し、グループディスカッションを行い、グループ毎発表するという形式がとられ、短時間のなかで履修者の理解と意欲を高める工夫がなされていると感じ、大変参考になりました。履修者は、講義中に積極的に挙手して質問するなど、本学との違いも実感できました。

研究室は、客員研究員も含め6名と、実験演習プログラム履修者(他学部の学部生)3名の計9名で構成され、毎週月曜日に研究ミーティングが実施されています。具体的には、進捗報告や客員研究員の研究紹介等がなされ、小職も研究紹介等を行いました。
 日常的には、学生からの質問(化学実験法や評価法)に対するアドバイス、ならびに他大学からの訪問学生に対してエレクトロスピニングの実験を指導・サポートしました。これらの経験を通して、逆に学生さんの考え方や悩みを知ることができ、自身の指導法を客観的に見つめなおす機会にもなりました。

光陰矢の如しで、滞在期間も終わりを迎えようとしています。イサカの自然豊かな地で生活し、見知らぬ人でも笑顔で挨拶してくれるフレンドリーな人々に触れ合うことで心が癒され、安心した日々を送ることができました。ここで得た貴重な経験を今後の教育研究に取り入れていきたいと考えます。
 最後に、この場をお借りしまして、スーパーグローバル大学創成支援事業助成により海外研修の機会を頂きましたこと感謝申し上げます。また、本学国際課の皆様・他関係事務の皆様には、渡航前から渡航中まで常にご支援を頂き、大変お世話になりありがとうございました。滞在先をご紹介頂きました東京工業大学 教授 鞠谷 雄士 先生、不在中の学生のご指導・ご助言・ケアを頂きました本学機能高分子工学課程繊維製品設計の先生方々に深謝申し上げます。